BON VOYAGE!

「哀愁のヨーロッパ」
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11月11日・ストラトフォード・アポン・エイヴォン→マンチェスター
「オールド・トラフォードへの長い道」

時間との競走。

マンチェスターへ。そしてオールド・トラフォードへ。午後3時からマンチェスター・ユナイテッド対ミドルスブラの試合がある。そのために、わざわざ行く馬鹿さ加減。

ストラトフォード・アポン・エイヴォンを9時24分に出る列車でバーミンガムへ。本来なら10時18分に着く。そこで10時34分または11時7分の列車に乗れば少なくとも午後1時にはマンチェスター・ピカデリー駅に着く。ツーリスト・インフォメーションへ行ってホテルを取って荷物を置いてすぐ出れば2時半にはスタジアムに着けるだろう。ほら、けっこう余裕のあるスケジュールでしょ? うまくいくはずだったのに。

8時55分、ストラトフォード・アポン・エイヴォン駅に到着。全然表示がないが聞きまくって列車に乗る。定時の9時24分に発車。Spring Road駅に10時7分に着き、雨の中を歩いて待っていたバスに乗る。直行列車なら10時18分にバーミンガム・スノウヒル駅に着いてニューストリート駅まで歩いて乗り換える手はずなのだが・・・。バスが止まったのは10時29分、バーミンガムの街中に放り出され、標識を頼りにニューストリート駅に着いたのは10時36分だった。ちなみに荷物は持ったまま。

列車がない。

駅の大きな表示板でマンチェスター行きを探す・・・ない。まったくない。34分発が出てしまったのは仕方がないとして、11時7分発のアバディーン行きは影も形もない。これは洪水被害ただなかのヨークを通るので運休かも。それにしては何の掲示もないが。インフォメーション窓口は行列だったので、覚悟を決めてリヴァプール行きに乗ってCreweで乗り換えることにする。Creweから先は・・・知らない。なんかあるだろ。

リヴァプール行きは7分遅れで発車し、Creweには16分遅れで着いた。もう12時を過ぎていた。マンチェスター行きを探すが、なぜかマンチェスター空港行きは2本もあるのに、ピカデリー行きが見あたらない。インフォメーションで2回(違う人に)聞いて、12時35分発までないことを確認。乗ってみれば恐れていた各駅停車だった。間違いなく1時間以上はかかる。長雨による洪水でイングランド中部の鉄道幹線はズタズタのもようで、かろうじてローカル列車でカバーしている感じだ。

ホテルもない。

ようやくマンチェスター・ピカデリー駅に1時40分に着き、メトロリンクという名の路面電車で中心部のツーリスト・インフォメーションへ。マンチェスターは直接ホテルに当たるよりもインフォメーション経由の方がディスカウントしてもらえることが多いのだ。電話してもらって3軒目で部屋が取れたが、歩かなければならない場所だった。

荷物を重く感じ始めた上にキックオフがもうすぐだ。あせってタクシー・キャブを拾ったら「すぐ近くだよ」と言われて、実際すぐに着いた。チェックインし、前払いして部屋に荷物を置いてすぐに出たが、2時30分になろうとしていた。一番近いメトロリンクの駅はピカデリーなので小走りに急ぐ。やっとのことでオールド・トラフォードへと向かう電車に乗った。この時点で、すでにキックオフに間に合わないことは確定。キックオフの3時にはまだ電車の中だった。

あせりまくる。

オールド・トラフォード駅からスタジアムまでは歩いて10分。そして、その10分のあいだにどこかでチケットを手に入れなければならない。で、70ポンドとふっかけられて50ポンドにしたが、もっと安くなったと思う。あせってしまって基本である「チケット見せて」を忘れてしまった。でも、とにかく無事にオールド・トラフォードに潜入成功。キックオフから10分後くらいで、まだ0−0。これからだ。

試合の模様はこちらで。

試合終了後、ラッシュを避けるためにショップで時間をつぶそうと思ったら、こっちもラッシュで、入場制限の行列なのであった。1999シーズン栄光の三冠のときのTシャツがセールで5分の1の2ポンドになっていて、思わず買う。ちょっと嬉しい。

帰りに中華街で食事。今年の1月に来て気に入った<Little Yang Sing>は満員だったので、他に回る。<Pan Asia>というやたら大きく出た店名だ。料理は悪くないが、サービスはカジュアルというより雑である。

text by Takashi Kaneyama 2000

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