■ホーム


吟遊詩人を作ろう

トップ

・吟遊詩人とは何物なのか

スキル・ステータス構成




 まず、吟遊詩人を作るまえに、その吟遊詩人とはどういうものなのかを理解しないといけません。そして、一概に吟遊詩人といっても、その定義は多岐にわたります。まずは「吟遊詩人」とは何者なのか、について考察してみましょう。








 まず、中世ヨーロッパにおける、宮廷での芸術家を指す場合。こういった吟遊詩人は、本来は領主や騎士、聖職者でもあります。よくファンタジーゲームなどで、王子様や貴族のお坊ちゃまなどが竪琴を持って吟遊詩人として登場することがありますが、それにはこうした背景が影響しています。彼らは「トルバドゥール(Troubadour)」と呼ばれます。

 さらに、こうした貴族階級でかつ詩人であった者たちが、領地や職を失って、各地を詩を歌いながら旅する場合もあったようです。こうなるとかなり吟遊詩人っぽいですね。

 基本的に彼らは支配階級であり、多くは十字軍遠征に参加したような騎士たちでした。ごくまれに、市民階級出身でも、その才能が認められれば、騎士と同列にみなされトルバドゥールとなることもできたようです。




 次に、市民階級の詩人の場合。歴史的な意味での吟遊詩人に一番近いでしょう。彼らは「ジョングルール(Jongleur)」と呼ばれます。

 なお、ジョングルールは2つに大別されます。1つは見世物芸人、旅芸人としてのジョングルール。彼らの中には歌だけでなくアクロバティックな芸なども披露した者もいたそうです。もう1つはトルバドゥールの従者として仕えたジョングルール。基本的に、トルバドゥールは作詩・作曲をし、それを実際に歌ったのは、従者のジョングルールでした。こうした、特に主人に仕え、安定したジョングルールは「メネストリエ」と呼ばれたそうです。




 そして、古代ケルト族の吟遊詩人を指す場合。彼らは「バード(Bard)」と呼ばれ、ケルト族の中では、バードの言葉・歌には神秘的・魔力的な力があると信じられていました。

 実際、ケルトの伝承によると、バードの呪歌によって地位を失った王がたくさんいるそうです。多くのファンタジーゲームで魔力を持った歌をうたう職業として吟遊詩人が登場するのは、このケルトのバードが元となっています。UOの吟遊詩人も、その表記は"Bard"ですもんね。

 ちなみに、同じくファンタジーゲームで有名なドルイド僧もこのケルト族からきたもので、ドルイドが白いローブを着たのに対し、バードは青いローブを着たそうです。








 高貴で優雅な詩人のイメージならトルバドゥール、旅をする放浪の詩人というイメージならジョングルール、魔力を持った歌をうたう詩人というイメージならバード…といったところでしょうか。

 ファンタジーゲームにおいて、「優雅で高貴な旅の詩人で、その歌は魔法の力を持つ」というようなイメージは、実は上記3つのそれぞれの美味しいところどりだというのが分かりますね。


 次項以降、この3タイプを踏まえた上で、UOでの吟遊詩人キャラについて考察していきたいと思います。