金華火腿(欣園食府)

金華火腿


ここは今年の正月に訪れて以来そのずしりとこたえる重厚な味わいの上海系家庭料理の虜となり合計三回の取材とあいなりました。 上海料理(滬菜)と一口に言っても寧波、紹興、杭州、蘇州、無錫、鎮江、揚州、南京などの料理が含まれていますがこの店の菜譜は寧波菜を主体として構成されています。 華麗で清淡な味付けの揚州料理に比べて寧波菜はどうしても濃い泥臭い味付けの料理が多いのですが酔蟹、蟹糊、黄泥螺といった海産物の生吃とか鹹魚、金華火腿などの醗酵食品を使った料理が多く私にとってはとても魅力的な料理の一つです。 今回食べた火腿百頁蒸肉などは廣東家郷菜の鹹魚蒸肉餅などとあい通じるものがありご飯のおかずには最適です。

金華火腿は正月に食べたものに比べると熟成が進みかなり癖が強くなっていますがその肉の部分に味が凝縮されてきておりまるでうまみ成分の塊のようになっておりました。 そのまま食べるのには出来たばかりで余り癖の強くない冬場のものの方が向くような気もしますが皮の部分は以前のものにもましてねっとりとし応えられない味になっておりその肉の部分の味の強さも冬場のものの比ではありません。 これだけの分量があればちびちび齧りながら紹興酒の10本ぐらいはたいらげられそうです(笑)。 下にしかれた百頁(押し豆腐)にも火腿のかおりがうつっており絶品です。

あまりの味の濃さに金華火腿をもてあましていたところここの厨師長が出てきて白菜と春雨を入れた料理に作りなおしてくれました。 これがまた絶品。 普通はこの三分の一ぐらいの火腿で作るとのことでしたのでこれはとても贅沢な一品となりました。

サービスで出してくれる蒸臭豆腐の味も忘れがたいものがありますし、草魚のかぶとの紅焼である下巴の味も絶品です。

金華火腿 365元、下巴 120元(一個)、火腿百頁蒸肉 250元(?)・・・と同規模の店と比べると多少値段がお高い感じがしますがこの店の料理に使われている材料が他の店で使われているものと比べて格段に良いことを考えるとむしろ安いぐらいです。 ちなみに火腿は大陸産の純正品が使われています。 土鍋に使う里芋も硬い芋頭ではなく柔らかくておいしい芋[女乃]がつかわれています。 皮蛋も皮の部分が厚く黄身の部分が糖心(半熟状)のものが使われています。 等々・・・。


金華火腿と白菜、春雨の煮物


火腿百頁蒸肉


蒸臭豆腐


下巴(草魚のかぶとの紅焼)



基礎データ
住所台北市復興南路二段148巷1號
電話7012632,7010318
営業時間12:00から14:00,17:00から21:00
お勧め料理金華火腿、火腿百頁蒸肉、芋[女乃]猪脚、下巴、蒸臭豆腐、松花皮蛋、老焼蛋など
取材日時1999年4月29日、5月2日




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