錦江飯店貴賓楼 

錦江飯店貴賓楼


まるで老いたる鷹が羽根を休めているかのようなフォルムを持つ錦江飯店貴賓楼。 大上海の栄光と悲惨を一手に背負って立つかのようなその姿は神々しくもありまた痛々しくもあるのだ。 壁面の傷の数々にはどのような悲しい記憶が刻まれているのだろうか。 汗と埃にまみれた襤褸を纏った紅い皇帝がやってきて延安の土埃にまみれた軍靴がこの美しい花園を踏みしだいたときの悲しい記憶だろうか。

かっての国民党の高官にして吃遍大江南北(台視文化公司出版)の作者たる大美食家の胡静如氏も文革前に錦江飯店を訪れたという。 打ち続く改革の失敗による物資の困窮はこの錦江飯店にも暗い影を落としていたはずだ。 彼の胸に去来するのはどのような想いであったろうか・・・。


今回食したものは・・・。 蜜汁火腿 118元、清炒蝦仁 138元、葱油芋乃(草冠) 38元、開洋蘿蔔絲湯 18元、芝麻鍋炸 20元といったところです。 芝麻鍋炸の素朴で純なお味が身に沁みて嬉しゅうございました。


店内風景・箸などは銀製のようだ

蜜汁火腿と清炒蝦仁(左)、芝麻鍋炸と開洋蘿蔔絲湯(右)


基礎データ
住所茂名南路59号錦江飯店貴賓楼17,18階
電話6258-2582,2588
営業時間11:00〜14:00,17:00〜22:30
お勧め料理芝麻鍋炸、清炒蝦仁など
取材日時2000年8月6日




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