メグレ捜査地図
Rue Fontaine
 この時刻には、フォンテーヌ通りはパリのどこの通りとも同じに、日常的な生活を呈していた。酒場の真向かいには、イタリア人が経営している食料品店があって、近所の主婦たちが買い物にきていた。「ボーイ! カルヴァドスを一杯。」
 生気のない、ブロンドのレジの娘は高まる驚きの念をもってメグレを見つめていた。
(河出メグレ警視シリーズ49『メグレ再出馬』より)
9区・モンマルトルの麓
サン・ジョルジュ広場のあるノートルダム・ロレット通りをモンマルトルの丘方向に歩いて行くと、道はフォンテーヌ通りと名前を変える。そのまま進むと、道はやがてクリシー大通りと平行して走るドウエ通りにぶっかる。写真はドウエ通りに立って、今来たフォンテーヌ通り(写真中央左寄り)を振り返って見たところ。この辺りのマンションの上階の窓から水が降ってきて、頭を濡らしてしまったが、そういえばパリの歴史書に昔はゴミや汚水を路上に平気で投げ捨てていたとあったのを思い出して、二一世紀のパリでもまだやっているんだと妙なところで感心した。

フォンテーヌ通り