SONY ロボット犬 試作機完成

1998/06/12 読売新聞より転載


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◇…ソニーが家庭の娯楽用に開発を進めていた“ロボット犬”の
試作機が完成した=写真=。体長約23センチ、重さは約1.2キロで、
内蔵モーターにより4本の足と頭、尻尾がそれぞれ動く。

◇…動体部分に内蔵した“頭脳”の中央演算処理装置(CPU)に、
本物の犬の行動様式がプログラム化されて組み込まれており、分
速5メートルで歩けるほか、寝転んだり座ったりと多様なしぐさ
を表現できる。プログラム次第では飼い主に擦り寄ったり、芸を
させることも可能だ。

◇…ソニーは今後さらに改良を加え、2000年をめどに商品化した
い考えだ。猫やハ虫類などのロボットも開発する予定で、21世紀
には小型ロボットによる「人工生命ビジネス」が展開されるかも
しれない。


試作機発表 (1997/8) から10ヵ月。
写真では以前よりもボディがしっかりカバーされて、 銀色に光っているように見えます。

「猫ロボ」はいいとしても、「ハ虫類」とは。 トカゲ、イグアナ、ヘビってことか?
さすがに"飛ぶ"ロボットは難しいだろうな。

内蔵回路は処理能力が高いので、バッテリーも問題になるだろう。
しかし、自分でコンセントを探して自己充電する、あるいは電池切れが 近づくと充電を「ねだる」、というプログラムを持たせれば、 手間をかけずにいつまでも「生き続ける」疑似生物になる。

今回のプレス発表は、OPEN-R という、ロボット制御アーキテクチャ についての技術発表がメインらしい。試作ロボットは犬型だが、 4足歩行、または2輪で移動するロボットの基本アーキテクチャで、 パーツを変えることで、他の生物に似た形のロボットにも使える 汎用的なものらしい。なるほど、それは今後のロボット応用開発の 広がりに重要な技術に思える。
アーキテクチャが決まれば、部分ごとに開発を分散させることができる。 たとえば視覚系は、それだけでもいろいろな技術開発を必要とする パーツなので、別の会社が作ってプラグインで売るようになる のかもしれない。
同様に、「猫・行動モジュール」「猿・行動モジュール」などの 行動プログラム・プラグインもあちこちでオプションとして売り出す かもしれない。

犬や猫などの、 人間に「可愛い気持ち」を起こさせるしぐさ、 そののエッセンスとは、何だろう? つきつめると、それは行動プログラム開発者のセンスやノウハウが 必要になってくるのだろう。
「コミュニケーション」について、もっと考えねば。


・外部リンク → Sony Fun 「ペットロボット見参!」
・外部リンク → エンタテインメント・ロボット用アーキテクチャ「OPEN-R」開発 (SONY) 1998/06/10
1998/06/20 T.Minewaki

生命のよもやま話
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