◆ 生命のはなし (2) ◆

「ロボコップ2」を観ましたか?
人間の体を失い、脳以外は機械仕掛けとなった彼は、「一体おれは人間なのか?」 と悩みます。 改造人間である仮面ライダー本郷剛もまた、同じ悩みを抱えていました。
「悩む」こと、いったい機械は「悩む」のでしょうか?



人間は機械だ!

生物は機械です。そして人間も機械です。

機械、といういい方は少し曖昧なので言い直すと、

ある法則に従って状態を変えるシステムであって、ある時点でのシステムの 内部状態と、与えられる外部刺激がわかっていれば、次のシステム状態を 正確に予測できるものだ。
ということです。( * )

人間の行動や、感情もすべて機械的に予測できるものだ、というと、 「いやそんなことはない、おれは『自分で』考えている。」 と反論する人もいるでしょうが、それも、結局は脳の中の電気的、 化学的な反応の産物です。電気反応も、化学反応も、ある単純なルールに 従ったものです。 「悩む」こと、「ひらめく」こと、「楽しいと感じる」こと、これらもすべて その一部です。

しかしもちろん、僕にはその予測をすることはできません。 現在、人類の英知を集めた道具である Sun SPARCstation-10 を使っても 無理でしょう。
生物を構成する材料も特殊です。普通、機械というと金属を思い浮かべますが、 生物は有機物でできています。有機物の振舞いは、人間にはわかりにくい。

でもそれはただ、人間の認識能力にとって、システムがとんでもなく 巨大で複雑でわかりにくい、というだけで、機械ではない、 ということではないのです。


* 関連キーワード →「ラプラスの悪魔」=全知の存在 (1998/12/07)
1993/05/24 T.Minewaki
2000/02/27 last modified T.Minewaki

3: 生きてりゃ勝ちよ
生命のよもやま話
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