液晶ペット50万匹

<< 朝日新聞 1995/02/25 (土) 夕刊 1面トップ >>

液晶ペット50万匹

電子手帳−−餌食べ成長、芸も

 小・中学生の間でいま、電子手帳の中で飼うペットが大人気だ。 エサを食べて大きくなり、芸も覚える、という疑似体験が売り物で、 「バーチャル(仮想)ペット」と呼ばれている。昨年暮れから 本格的に売り出され、これまでに五十万台が売れた。犬や猫を 飼いにくい最近の住宅事情などが背景にあるというが、 機械の中のペットに熱中する姿からは、今の子どもたちの 心の風景も見えてくる。
----(引用終り)


 これはびっくりした。新聞のトップに載るのもすごいし、
 いくらなんでも2〜3ヵ月で50万台というのはタダゴトではない。

 Teo のソフトが出たら話題になるとは思ったけど、既にこんなものが
 あったのだね。
 まず飛びついて熱中するのは子供。
 これからも、この系統のソフトは売れるだろう。

 問題があるとすれば、結局それは疑似ペットにすぎず、本物の
 猫や犬とは全く違うものだということ(に気づかないこと)。
 だってそれは、可愛く思わせる部分だけを抜き出して、避けたい
 部分を除いて設計されたものだから。

 現実の動物と違うものを子供に学習させて良いものか?
 この辺は作って売る側のモラルの問題となるので判断は難しい。
 でも確かに面白いし欲しいと思う。
 売れるということはその価値を求められているということだから、
 いいのか?
 人間の「親近感」や「かわいいと思う心」はどうやって形成されるのか
 を知るための手がかりとなる人工物ではある。

 例えば「1人暮らしの老人を淋しくさせないための疑似ペット」
 なんてのを作ったら、これはまるで「役に立つ医療機器」ではないか。

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1995/03/01 T.Minewaki
1997/03/23 last modified T.Minewaki

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