◆ 人体の不思議展 ◆

Jintai Ticket
会場: 東京国際フォーラム1階
入場料: 当日・一般 1500yen
期間: 2003/09/06 〜 2004/02/01(延長されました)無休
時間: 11:00 〜 20:00(入館は 19:30 まで)
URL: http://www.jintai.jp

思い起こせば 1995 年に国立科学博物館で 「人体の世界」という同様の展示があり、 その時あまりにリアルな人体標本を初めて目の当たりにして 衝撃を受けたことを思い出した。 当時、標本化の技術は「プラスティネーション」と呼ばれていたが、 現在は「プラストミック」と言うらしい。8年も経ってるので 技術は大きく進歩し、展示できる標本の数も大量に増えた。

見に行ったのは 12/5 。 東京国際フォーラムというモダンで明るい空間に、ガラスケースや むき出しの人体標本が並び、それを囲みながら鑑賞する。 金曜日の夕方に行ったのだがけっこうな混雑で、見たい角度から見るには ゆっくり流れつつチャンスを待たなくてはならない。 来場者は比較的若い年齢層が多いようだ。カップルやグループで 来ている人も多い。 かつて科学博物館で見た時の厳粛な雰囲気はなく、明るい感じ。

展示内容は、全身や体の各部分の大量の標本。 全て死後提供された生身の人体をプラストミック処理したもの。 頭、脳、手、足、筋肉、神経系、心臓、肺、内蔵、生殖器、… これでもか、というくらいになんでも揃っている。
各標本はそれぞれの狙いに合わせてきれいに切り取られた形で展示されている。 血が付いていないので、清潔な感じさえする。 体の内側にある組織は見慣れないので、学術的な興味心から 冷静に見ていられるが、顔の表面から順番にスライスした頭部など、 リアルな生身の皮膚からの連続で並んでいると、生きていた人なんだなぁ と動揺する。まぶたにまつげがきれいに生え揃っていたりして。

いろいろなことに気付く。
頭蓋骨と脳の間には結構すき間があって、脳は思ったより小さいなぁとか。
皮膚と脂肪を取り去ると(ひと皮剥くと)みんな同じだなぁとか。
人間は動物だなぁとか。
人体はうまく組み立てられた部品の集まりだなぁとか。
肺胞に分岐する血管系はめちゃめちゃきれいだなぁとか。
腸はよく絡まないで収まっているなぁとか。
これは人工的には絶対に作れないものだなぁとか。

僕は 恐竜化石発掘が趣味で、 恐竜などの化石骨を見てどこの部位かわかる程度には目が慣れてきた。 そういう目で改めて人体骨格を見ると、ははぁなるほど、と気付く共通点が とても多い。人間は他の生物と同じ基礎構成を持っている。
人間は二足歩行をするので、腰回りの骨格が特徴的で変わっている。 でも、腰を構成する骨の数は他の動物や恐竜と同じで、 どれとどれが対応しているかは想像がつく。他の骨格もそう。

とにかく、人間の体、つまり自分の体の中がどうなっているか、 普通なら絶対に見ることができないものを見られるという、 貴重な貴重な展示でした。

2003/12/10 T.Minewaki
2003/12/11 modified T.Minewaki

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