◆ 花の名前 〜向田邦子漫画館〜 / 柴門 ふみ ◆

作品名:花の名前 〜向田邦子漫画館〜
著 者:柴門 ふみ
発行所:新潮社
1999/08/20 発行
ISBN4-10-431701-2 C0079 \1100E
女って かわいい──
でも、ちょっと 狡くて こわい──
向田邦子の名短編を恋愛漫画の名手・柴門ふみが、
鮮やかに描き出す大人の恋の物語。(帯より)
柴門ふみの短編漫画が好きなのだが、
このごろは長編ものとかエッセイとかが多くなっているようで、
読まなくなっていた。
そんな時、この本を見つけた。
向田邦子はドラマの原作などで有名な作家であるとは知っていたが
特に意識したことはない人。
読むと、この作品のテーマが男と女の間に潜む「陰」の感情であることが
わかってくる。「恋人や夫婦や家族ってのにもいろいろあるのよ」という、
柴門ふみの作品に共通するものがあるし、
柴門さんがこれを描きたいと思っただろうことも理解できる。
でも、なんか違う。後味が苦い。
死ぬまで隠し通したい嘘を抱えてしまうこと、
そしてそれを感づかれてしまうこと、そんなやりきれない感じが残る。
たぶんそれが向田邦子作品の持ち味であるのだろうが、
僕はこの読後感はあまり好きではない。
もうすこし救いが欲しい。
2001/03/03 Takakuni Minewaki
2004/10/15 last modified Takakuni Minewaki
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