◆ さよならミケメス ◆

Goodbye, MikeMesu
(2000/03/29 撮影 at せせらぎ公園)
子猫3兄弟の一匹で、 ミケメスと呼んでいた一匹です。
もともと体が細く元気が感じられなかったのだが、 年が明けた頃から見るからに調子が悪くなり、苦しそうに じっと座っていることが多くなった。 これまでは警戒して近寄ることができなかったのが、 自分からすり寄ってくるようになり、手を伸ばして体を撫でると、 これがもう、激ヤセというほどの状態で、腰が細く、あばら骨や背骨が ごりごりと手に当たる。毛皮があるから触るまで気がつかないのだが、 まるで骨と皮でできているようだ。 「大丈夫か、おまえ」と言いながら撫でてやる。

3月後半になると、一段と具合は悪くなり、毛並みが荒れ、 耳の縁一面にボツボツとかさぶたができ、置かれた餌も食べず、 声もたてず目をつぶって座っているだけとなってしまった。
それでも、それでも。僕が近くに行くと立ち上がって、 足もとで脇腹をすりつけじゃれついてくる。苦しいだろうに、どうしてだ。 餌は置いてあるから、餌が欲しいわけじゃない。 「助けてくれ」ということなのだろうか。心細いのだろうか。 猫の気持ちはわからない、応えることもできない。 ただ、求められるままに、気持ち良さそうなところを探って、長い間撫でてやる。



MikeMesu and AniCat
(2000/04/07 撮影 at せせらぎ公園)
猫たちの間での「家族愛」のようなものも見られた。 ミケメスの具合が悪くなって行った時、この餌場を共にする 顔デカや兄弟猫が、 じっと座りこんだミケメスの隣に体を寄り添わせて座っていることがあった。

右の写真は、茂みの中でちょっとわかりにくいが、下になって座っている 兄猫(3兄弟の一匹)の背中に、ミケメスが体を預けてぐったりと 休んでいるところ。兄猫はじっとしている。苦しみを察している様子がある。
顔デカや3兄弟は血のつながった家族じゃないのかもしれないが、 生活を共にするものたちの間でなんらかの親密な共同体意識があることが 伺われる。

ミケメスを最後に見たのは 4/12 。
何があったのかはわからないが、それ以来見かけていない。

2000/07/22 T.Minewaki
2001/02/27 last modified T.Minewaki

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せせらぎ公園猫の日記MINEW

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