( 1997/8/11 撮影 at ツグリキン・シレ、モンゴル )
ラクダと戯れた休憩のあと、 ふたたびジープは走る走る。 だんだん地面に草の少ない地域も通るようになってくる。 牧場や小さな街 ( Bulgan ) も通り過ぎた。
10:30 突然、行く手に赤茶色の砂丘があらわれ、その横でジープが停まった。
前方に広がる砂色の崖が、ツグリキン・シレ Tugrikin-Shire だと言う。
やっと到着したか。
白くガラガラした崖、その上に僕らの滞在するゲルが設置されていると言う。
強い風で砂が舞い、プチプチと顔に吹き付ける。砂漠なんだなここは。
さて、なぜ「ツグリキン・シレ」なのか、ということについて
少し説明しましょう。
今年の発掘キャンプ地をここにしよう、と決めたのはバルスボルド博士
でした。
ツグリキン・シレはモンゴルでも有数の恐竜化石出土地域であり、
ここで「格闘化石」が発掘されました。
格闘化石とは、2頭の恐竜、肉食のヴェロキラプトルと、 草食のプロトケラトプスが、格闘し絡み合ったままの姿で化石化したという、 なんとも不思議な化石です。学術的にも非常に価値の高いものです。
そんな背景を知っているので、僕たちは「あの格闘化石のふるさとに来た」 という意識があり、それだけで気分が高ぶってしまうのです。
去年(1996)、格闘化石は
ウランバートルの自然史博物館
に展示してありましたが、1997 年の夏から 1998 年の春までの期間、
この貴重な化石は日本に運ばれ、群馬県中里村の恐竜センターにて
展示されています。
その様子は「恐竜王国・中里村」のインターネットホームページでも
観ることができます。ぜひごらんください。
・外部リンク → 恐竜王国・中里村 http://www.dino-nakasato.org/jp/indexMenu-j.html
[ 南ゴビ 写真日記 1997 | 思い出のアルバム | MINEW ]
T.Minewaki / minew@post.email.ne.jp