この日の午後も、白い丘の上で化石を探す。
疲れてきて、なかなか見つからないので
「もうここには何も残っていない、何人もが歩いて探し尽くされたのだ、
見つかりっこないよなー」という諦めの気分が入り込んでくる。
でもそれではいけない。「化石は絶対ある。ここには沢山あるのだ。
僕はそれを見落としているだけ」という気持ちで臨むのが基本。 と、そんな時、ぽろっと1個の骨が目に入った。 斜面に、何気なく、落ちていた。 1個だけだが、折れたり割れたりしていない、ほぼ完全な形。けっこう大きい。 骨は意図のある形をしているので美しい。やった! 骨の大きさと形から、イグアノドンの手の平か足の平の骨だろうと推測した。 ちゃんと勉強したわけではないが、いつの間にか経験を通して、 骨を見るとだいたいどの恐竜のどこの骨か分かるようになっている。 このあとバルスボルド博士に見てもらうと、「イグアノドンの中足骨」(足の平) ということだった。当たり。 |