“ジャックと豆の木”について



■ジャックと豆の木とは?

  当会では通称・ジャック

学 名

:Castanospermum australe Beany

分 類

:マメ科・一属一種の常緑高木

一般名

:モートン ベイ チェスナッツ、ブラックビーン

別 名
(商品名等)

:オーストラリアンチェスナッツ、オーストラリア(ン)ビーンズ、マジックシェード、グリーンボール、アマゾンエッグ、ジャイアントビーンズ、ジャンボビーニー、ラッキービーン、おかしな豆の木、ジャックと不思議な豆の木、緑宝石(Lu bao shi=中国語でエメラルドのこと)、招財進寶樹 (中国では開運グッズになってるらしくて、育ったら枝に飾りを吊したりするそうです

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  Castano=栗 spermum=種子 種子が栗の実に似ているゆえに

●常緑高木、非耐寒性。樹高40mになる。葉は光沢があり樹皮は粗く内側に香りがある。春〜夏に黄色い花が総状花序に咲き、日時がたつとオレンジや赤い花になる 。秋には大きな茶色い種子が3個以上はいった莢が実る。(花は5〜20m以上の大木に咲くと言われている) 自生地は川岸の森林、オーストラリア北東部、パプアニューギニア、ソロモン群島などの亜熱帯地方。多少の霜には耐える。

+++ジャック豆の莢(実物写真)
 紗夜さんご提供により入手
  

+++大木にならないと花が咲かないはずなのに咲いた、国内で初めての例
 中日新聞静岡版2000年10月21日付「浜松、遠州」ページ

 
+++世にも珍しい『クリーム色のジャック』
 Skuyaさんのジャック紹介

ジャックの花 in Hawaii
くまちゃん8号提供)
●用途
 NSW州北部の気候に適しており学校の校庭や公園などに最適。(日陰用らしい)
 自生地域で木材の伐採を行うイギリスの木材会社では、この木材を使い、家具や家屋材として昔から利用している。
 種子は生では有毒だが、オーストラリア先住民は水に浸してから煎るか、すりつぶすかして食べる。葉もそのままでは毒。
 HIVに関する研究では樹木全体、主として種子にカスタノスパーミンが含まれていることがわかった。この成分にはHIVウイルスの表面を変化させ感染性のないものに変える。


  情報提供/参考図書等


・はまの顧問、ねんねこ@6号、くまちゃん@8号、kuu@9号、
・有限会社ジャックと豆の木カンパニー 横嶋さま
・サキさま (中日新聞提供) 
・『ハーブの写真図鑑』 日本ヴォーグ社
・『趣味の園芸・2000年8月号』 NHK
・『筑波実験植物園』…http://www.tbg.kahaku.go.jp/
  長老ジャックがいます。隊長の訪問記はこちら




■育て方


  

<苗から育てる>
※市販の小さい苗(高さが20cmに届かない物)には、成長を押さえる『矮化剤』が使われている場合がほとんどです。(当会ではこれを『魔女の呪い』と呼びます(^^ゞ) その場合、しばらくは目覚ましい伸びは見られませんので、不用意に多肥(活性剤の与え過ぎ等)にしないようにお気をつけください。
『魔女の呪いがとけて、凛々しい王子さまになった豆竜くんの物語』

●置き場所 ……日本では室内での管理がしやすい。室内光で十分。夏場は外でも大丈夫。冬は室内で管理すれば温度が低くても越冬する(冬の管理:別記↓)

●普段の管理 ……水やりは表面の土が乾いてから。月に1回程液肥などを施す。真夏以外は日光浴をさせてやると葉色が良くなる。

●植え替え ……用土は水はけの良い用土であれば特に選ばない。赤玉土にピートモスを同量、あるいは半分程度加えたものを利用すると良い。市販のプランターの土、観葉植物用の土で良い。なお、肥料っけの全くない土は不可。室内管理で土に虫がわかないように、コーヒーかすを大さじ1〜2杯ほど混ぜてやるとよい。(ただし土に完全に混ぜこまないとカビがでることがあります)
植え替えは、鉢底から根がでてくるなど鉢いっぱいに根が張ったら。また、水はけが悪くなったり、下葉が落ちるなどの症状が出たら早めに。



挿し木に挑戦してみましょう!(別ウインドウで開きます)

<豆から育てる>

●種の入手……4月〜6月に丈夫な物を購入し、入手したらただちに播いてください。
豆がしっかりしていれば発芽はほぼ完璧にしますが、栽培する人の落ち度ではないのに、豆の状態のせいで発芽しないことが少なくありません。(いったん芽がでてしまえば丈夫な植物ですが、豆は結構トラブルが多いようです)
そういった豆を手にしてしまうことがなるべくないように、無難な時期を選んだほうがいいように思います。また、豆の状態が悪かった場合には購入した店へ一言忘れずに。なによりも信用できるお店を口コミなどでさがしましょう。



●種まき……まず豆をよく観察しましょう。

豆の茶色の表皮を取り、丸い突起(根のでる部分)を下にして、3分の1まで土に埋める。(種まきというより、「種置き」といった感じです。上下を逆にしないように。)→下の【植え付けに関して】を参照

発芽は気温20〜25度で2週間〜1ヶ月(気温が低い場合は何ヶ月もかかることがある)。 発芽時期までは湿度&温度の保持をする。しかしなによりも大事なのは日照。発芽まではできる限り日にあてる。


●発芽まで……豆の色が黄色から濃い緑に変化していくうちに、外観は変わりませんが、まず『根』がでます。さわるとゆらゆらしていた豆がガンと動かなくなります。しっかり根付くまでは発芽(ひび割れ)はしないようです。
 それから豆の中央に切れ目がはいって芽が出てきます。割れて芽が伸び始めるまでわずか2、3日で、このときの成長のはやさにびっくりします。「ジャックと豆の木」の名前の由来を実感するときでしょう。

伸び始めたら管理は「苗をから育てる」といっしょです。


植え付けに関して
・ジャックの植え付け(種まき)の仕方には、様々な方法があるようで、種の購入先によっては『平らな面を下にして置く』と指示されることもあります。(これを当会では『寝かせ植え』と呼びます)
また、種をふつうの種のようにすっかり土に埋めたという方もいらっしゃるようです。
おそらく豆が丈夫で環境がよく、根の出るポイントにきちんと土をかぶせられていれば、どのように植え付けても発芽するように思われます。
しかし当会では、「豆がぱかっと割れる」といったの生育観察の楽しさ、豆に負担を与えにくい、等の点から断然『縦植え』(上記説明通りの方法)を推奨しています。
『縦植え』と『寝かせ植え』の比較ページ

<冬の室内での管理の仕方>

ジャックが外で管理できるのは『気温5度を下がらない。霜がおりない』という条件が必要になりますので、日本の冬は「室内管理」になります。(気候が良い時でも地面に直植えにはせず鉢植にしてください)

◆置き場所……昼間は日光浴ができる窓際など。ただし夜になると窓際は気温が下がるので移動すること。暖房の風や熱が直接当たる所は避ける。

◆管理上の注意……室内はけっこう乾燥しています(特に関東地方) 葉につく埃もかなり多いので、葉色が悪くなったりします。こういったことを予防するために、時々葉っぱにシャワーをあてることをおすすめします。ていねいに霧吹きをかけるのもいいかもしれません。
冬の間の肥料は基本的にはいりません。水は土の様子をみながら、控えめに。

※室内で管理してきたものを暖かくなってきたからと言っていきなり外の直射日光の下に出しますと葉灼けしますので御注意を。

   

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といいつつ、日本でも外の直植えで元気に大きく育っているジャックがいるようです。東京、神奈川、千葉、宮崎から御報告を受けています。地面の温度が0度を下回る事がさほどない場合だったら大丈夫なのかもしれませんね。

+++4年ものの4mを超えるジャック!
 Beanstalk5 さまのジャック紹介(旧・掲示板より転載)