上州

伊香保温泉・榛名山

グリーンウッド夫妻は2009年6月7-8日に伊香保温泉に出かけた。一流旅館で温泉を楽しもうという趣向である。宿はかってバイク仲間と1泊した福一を選んだ。(Hotel Serial No.65

第一日

朝8:00自宅出発。天気はすこぶるよい。平塚まで海岸線を西行。平塚→厚木→橋本→八王子ICで中央高速に入る。日曜日だが渋滞はなかった。中央高速で は若干の自然渋滞があったが、難なく圏央道に入れた。富里で昼食。渋川伊香保ICで降り、伊香保温泉に向かう。高速料金1,000円の恩恵に浴す。

途中グリーン牧場なるものに立ち寄るが牧場などではなく、観光遊園地だと分かりパス。かって坂東巡礼で訪れた16番札所水沢観音に立ち寄る。 坂東33ヶ所のうちでは浅草寺、銚子の万願寺についで三番目ににぎわう観音様だけあって賑わっている。

水沢観音

船尾滝に行こうと歩き始めるが20分歩いても着かないのでUターン。後で地図で確認すると片道1時間はかかる。

福一には14:00着。福一は料金が高い。それは建物に金がかかっているだけでなく、玄関で10人もの人間が出迎え、朝夜の食事は部屋で仲居が給仕してく れるシステムを維持しているためである。権力を誇示することが好きな人には虚栄心をくすぐってくれるので喜ばしいのだろうが、わずらわしいことかぎりな い。

一例をあげれば、玄関に車を横付けしたとたんにアッという間に車はどこかに消えてしまう。車に残した貴重品を回収するためにはいちいち、フロントに申し出て、係員同伴でガレージに向かわねばならない。

帰るときもそうだ。いつの間にか車は玄関に横付けされている。さて出発前にナビをセットしようとしても、玄関に整列してお辞儀をしようと待ち構えている人 々をそのままにしてナビと格闘するのも気が引ける。やむを得ず出発するのだが、出発してすぐ道路脇に停止してナビとの格闘を再開するという矛盾したことに なる。支配人殿、もっと新しい時代のサービスを考えてもらいたい。

チェックインには早いため石段街を散策することにする。記憶ではロビーの裏手の裏玄関から出ると石段街の上部であったのだが、実際にはまず8Fまでエレベーターで昇り、そこから連絡橋で新館 の19階に渡って、裏口から出るのだった。石段街の向こうには子持山の西にある小野子山(1,208m)が見える。

伊香保温泉の石段街

石段街は「長篠の戦い」で負傷した武田兵の療養所として整備されたとき以来のものだという。石段街の最上部に源泉があり、石段の下に源泉が流れて、各旅館に配分される仕掛けになっている。まず最上段の伊香保神社に参拝する。

この 石段街は成瀬巳気喜男監督、高峰秀子、森雅之主演の「浮雲」の舞台になったところだ。日が陰りやすいので全てセットを作ったという。原作は林芙美子だが、脚本を書いたのは水木洋子だ。林芙美子のラストは男を見限ったところがあるが水木洋子のラストは熱い。この差はどこからくるかといえば水木洋子の死後発見された同じ男性からとどいた16通の私信にあると推察されている。

石段街最下端に伊香保関所なるものを観る。群馬県にある本関所は横川・碓井、五料、杢ヶ橋、猿ヶ京の4関所だが、脇関所なるものは16ヶ所あって伊香保関所はその一つだという。

チェックイン後早速、湯を楽しむ。伝統的な「黄金の湯」という硫酸塩泉は酸化鉄によって赤色である。最近開発された白銀の湯はメタ珪酸単純泉でなにも含まれていない。いずれも湧出量が不足しているため、掛け流しではなく、消毒薬の塩素の臭いがする。

黄金の湯

ライトアップされる前山

夕食はさすがに一流旅館で質は高い。堪能した。 夜は眼前の山がライトアップされる。

第二日

伊香保の町でガソリンタンクを満タンにする。昨年の石油価格高騰時は1万円札が消えたが、今年はお釣りが半分帰ってくる。

榛名山山頂はガスの中である。湖畔には観光客目当ての馬車と乗馬が用意されている。

榛名湖と榛名富士

湖畔の馬車

榛名湖と榛名富士を一周した後、霧の中、沼ノ平を散策する。レンゲツツジが真っ盛りであった。

沼ノ平

渋川・松井田線を下り、榛名神社に参拝する。榛名神社は南北朝時代ごろから上野寛永寺の下に属し、別当が派遣されて管理 がされてきたという。明治の神仏分離により仏教色が廃され、元の榛名神社に復した。寺であったころの三重塔が破壊されずに残っていて群馬県内唯一の塔であ るという。

随神門をくぐって約700メートルの参道は清流に添ってゆくと矢立杉という樹齢1,000年といわれる杉の木がある。武田信玄が箕輪城攻めの折、戦勝祈願に矢を立てたと伝えられているという。 神域は鉾岩、ローソク岩などの巨岩奇岩が立ち並ぶ異形の地である。本殿奥の御姿岩はスフィンクスのような自然石である。首がおれて頭部がよくも落ちないものだと感心する。

この神社は最近は忘れられているが、農業用水の神として大切にされ、多くの講が支えたようである。

榛名神社本殿

本殿奥の御姿岩

山を2つ越えて松井田・妙義ICで高速に乗る。帰宅時の走行距離は426kmであった。

June 9, 2009

Rev. March 21, 2015


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