パリ、シャンパーニュ、ブルゴーニュの旅

第6日

ソアソン、ランス

6月11日(土)、シャンパーニュ地方観光

今日から向こう5日間はフランスのカントリーサイドのドライビングを満喫しようというわけである。久しぶりに荷物をまとめてバスでドゴール空港の第2ターミナルに出向く。ここのハーツで予約しておいたオートマチックのコンパクトカーを受け取る。ベンツはエラーメッセージを出したのでオペルーアストラの4速AT車に替えてもらう。

第2ターミナル内の駐車場から出ようとすると先行車がバックしてくる。出口の道路に鉄製の爪が立ち上がっていたので、間違った出口かと思ったというのである。英国人家族だった。後ろのフランス人がその爪の上を走ってみせて、その爪が自動的に倒れることを証明してくれたので、安心して出ることができた。そしていきなり高速道路に飛び込むのである。

今日の目的地はランスである。直前に厚さ2cmのフランス全土をカバーする道路地図を買って研究したとおり、空港の裏側からでた。ランスにゆく高速道路はA4であるがディズニーランド周辺の複雑な立体交差を通過しなければならない。そこでソアソン経由の田舎道N2をゆくことにした。これが正解であった。N2は広大な麦畑のなかを走る。高速道路ではないので路傍で停車な一時停車場所も確保されている。

ソアソンという町を通過したとき「ソアソンの花瓶」ということばが頭をよぎった。フランス人がグラマースクールで習う逸話だとどこかで読んで面白いと思いメモに記しておいたはずである。帰って調べるとまちがいなかった。ソアソンは486年にフランク族のクロビス王がローマ軍を破ってメロビング朝を確立し首都としたゆかりの 場所であったのだ。

ソアソン手前のN2で

ブレンヌ村の教会

ブレンヌ村を流れるVesle川

ソアソンは小さな町だが環状のリング道路に取り囲まれているので市街地には入らずランスに通じるN31に入る。しばらく行くとブレンヌ村に食事が出来るサインがでていたので村に入る。村にしては立派な教会があり、その裏にはVesle川 の堰があった。村の広場に面するレストランで昼食とした。教会を撮影するために車を止めると近くの民家の暖炉の煙突にとまってクロウタドリが鳴いている。

ランス直前で右手の小さな村に小さな教会が見えたので、再びその村に入ってみる。村のなかは殆ど人影は見えないが、こぎれいになっている。教会を過ぎて路傍に車を止め、ポピーの写真を撮影しようとウロウロしているとやってきた車がとまり人のよさそうな主婦が車の故障ですかと声をかけてくれた。田舎では人々は親切だ。あとで村の名を調べたがゲー村というらしい。

ゲー村の教会とポピー咲く路傍

ランスは中規模の町だ。地図でN31を真っ直ぐに行けば今日の目的地のホテル近くに行けると思っていたのだが、立体交差にさしかかったときランス中心部行きというサインを見て瞬間的にそちらに入ってしまった。そのほうが早く町の中心にゆけるのだが、事前に頭に入れておいた地図の別の環状道路に入ったと勘違いしたため、完全に方向音痴となってしまった。おかげで現在位置を確認できるまで一方通行の多い町のなかを無駄に巡りあるくことになった。副産物としてランス中央部を貫通する運河をつぶさに観察できた。

ランスの運河

ランスのフェスティバル

馬上のジャンヌ・ダルク像

ようやく本日の宿、ホリデイ・イン・ガーデンコートを探し出し、車をガレージにいれ、チェックインをすませる。一休みして徒歩で町の観光にくりだした。ちょうど春のフェスティバルのシーズンで週末でもあり、中世のコスチュームをまとった人々が大勢いる。どうも英国人の観光客らしい。コスチュームをまとうと特典があるらしいのである。

ランスは百年戦争で奪回できなかったフランスの国土をオルレアンの少女、ジャンヌ・ダルクが1年で英国から奪回してシャルル7世を戴冠させたゆかりの町である。王朝が変ろうが歴代王の戴冠式は町の中心にある 世界遺産のノートルダム大聖堂で執り行われたというレジティマシー確保の儀式であったのだろう。剣を抜き放った馬上のジャンヌ・ダルク像が聖堂に向かって左手にある。右手に隣接して王族がつかった これも世界遺産のトー宮殿が博物館となっている。

ランスのノートルダム大聖堂

大聖堂の入り口にはゴシック最盛期の傑作とされる微笑む天使、マリアの従者、聖ヨゼフの像があった。

ゴシック最盛期の傑作、微笑む天使、マリアの従者、聖ヨゼフ

大聖堂のステンドグラスがシャガールの絵ににていてなぜ現代の作家の作品がここにあるのか奇妙に感じたが、大修理のとき、シャガールが奉納したのだということであった。

ノートルダムの内陣

トー宮殿

サン・レミバジリカ聖堂での結婚式

更に足を伸ばし、これも世界遺産のサン・レミバシリカ聖堂を訪れる。この途中、クロウタドリが芝生におりて虫を捕食している様を撮影できた。好奇心旺盛なとりでカメラに近づいてくる。

クロウタドリ

サン・レミバシリカ聖堂ではちょうど結婚式が執り行われていた。 聖堂のまえにはリボン飾りをつけた高級スポーツカーがカップルの出発を待ち、聖堂入り口には米が播かれ、プロ級の合唱団が聖歌を合唱するというやけに豪勢な結婚式だった。

サン・レミバジリカ聖堂

久しぶりに中華料理をとって宿に帰る。

第6日のコース

バスでシャルル・ド・ゴール空港の第二ターミナルへ移動、ハーツでAT車をレンタル、N2、ソアソン(Soissons)、N31、昼食をとったブレンヌ村(Braine)、ゲー村(Gueux)、ランス の(Reims)ホリデイ・イン・ガーデンコート着、ノートルダム大聖堂、トー宮殿、サン・レミバシリカ聖堂、中華の夕食、ホリデイ・イン・ガーデンコート泊 (Hotel Serial No.309)

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July 01, 2005

 Rev. April 26, 2007


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