北八ヶ岳

茶臼山

2002年9月の第1週をグリーンウッド夫妻は残暑を避けて八ヶ岳高原泉郷(海抜1,150m)の貸別荘 (Hotel Serial No.230) で過ごした。


第1日

今日は七里ヶ浜の自宅からの移動日。

9:30自宅発。湘南道路はめずらしく渋滞なし。河口湖で昼食。はじめて「ほうとう」を食す。名物にうまいものなし。御 坂峠経由、中央道、小淵沢ICを降りて八ヶ岳公園道路を三つ頭登山口で右折すればすぐである。午後3時前にチェックイン。別荘に一週間滞在するということ は小さな引越しである。衣類、PC、オーディオセット、CD、本、登山用具一式を持ち込む。食料品は現地調達できる。朝食と夕食はパッケージに入ってい る。与えられた別荘C202は傾斜地を利用して寝室は玄関より低く、キッチンと居間は段違いに作られている。階段が苦にならないから不思議。トイレが汲み 取り式で匂うのが難。

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貸別荘C202


第2日

本日の予定は麦草峠から北八ヶ岳の茶臼山往復。総距離5.64km、累積登り325m、累積下り319m。

炊飯器で炊いたご飯でおにぎりを作り、朝食後、8:30に松原湖経由麦草峠(海抜2,120m)に向け出発。かって麦草 峠ー白駒池間の往復をしたことがあるので今回は麦草峠、北側の茶臼山(海抜2,384m)にむけ10:00登山開始。茶臼山には縞枯山と同じく、縞枯れ現象が見られる茶 臼山の山頂の少し手前にこの枯れているゾーンがあり、見晴らしがよい。12:00頂上に着くが、樹木に囲まれ、見晴らしは全くない。頂上近くではモグラの 死骸を見る。100m西の展望台に移動し、南北八ヶ岳の絶景を鑑賞しながら昼食。

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茶臼山展望台から南八ヶ岳を望む 

茶臼山の頂上で会った人が朝方カモシカを見たといた。うらやましいと思っ ていたら、頂上から縞枯山との鞍部に向かって下る途中、登山道を悠然と横断してゆっくりと歩いてゆく灰色の大型の動物を発 見。おしりしか見えなく、角があったかどうか見えなかったがカモシカだろうと察しがついた。しばらく下ると下の方で歓声があった。今度は登山道を反対側に 横断していた。等高線にそって移動するようである。我々人間を気にはしているが怖がっている風情はない。出合って興奮している人たちのうちの一人がカモシ カはシカよりヒツジに近いんだと説明していたが、帰ってしらべるとヒツジもカモシカもウシ科とのこと。シカの角は皮膚が角質化したものだがウシ科の角は骨 が変形して出てきたものとまえじまてつお氏に教わる。

縞枯山との中間点から五辻に向け下る。草原にはトリカブトの群落が見事である

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トリカブトの群落

狭霧苑、斧絶の森、駒鳥の池経由麦草峠に16:00到着。合計6時間の散策であった。標準4時間のコースを6時間かけた ことになる。帰路は南八ヶ岳の西側周りで帰る。メルヘン街道(国道299号線)を下り、新井の風除けの松に 出る。そば畑を風から守って300年の歴史を持つ赤松の並木は見事だ。県道17号線から県道188号線に入り、鹿島南蓼科ゴルフコースへ行く道を分けて、 柳川沿いの名も無き無舗装の道を砂塵を上げて美濃戸口登山口まで走行、ようやく鉢巻道路(県道484号線)にでる。美濃戸口登山口は八ヶ岳の主峰、赤岳へ のもっともポピュラーな登山口だが、奥に諏訪神社奥社があり、阿弥陀岳の一尾根、御小屋尾根にある御小屋山から7年に1度モミの大木を切り出し御柱とする ところである。無信号の鉢巻道路を快適に走行し、17:00泉郷に帰着。


第3日

前日6時間も歩き回ったので午前中は静養し、11:00出発。マリオ・ベリーニ設計のホテル リゾナーレを訪問。(Hotel Serial No.231) その建築とイル・マーレというプールを視察。バブルの時代の遺物であろうか豪華施設だ。次に泉郷に来るときはスイミングパンツを持ってきてイル・マーレだ けは利用させてもらおう。ガレリアでショッピング。12:00リゾナーレ内広東料理店「千樹」で昼食。

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ホテル リゾナーレ

次に小淵沢町役場経営の「戦国の館」を見学。NHKの大河ドラマ撮影用セットである。閑散としている。(Theme Park Serial No.169) 時代劇はよく八ヶ岳山麓で撮影するという。次に巨大な八ヶ岳リゾートアウトレットで登山用衣料などをショッピング。ここは人でいっぱい。(Shops Serial No.170) 小淵沢町役場経営の「花パーク フィオーレ小淵沢」を訪れる。(Botanic Garden Serial No.171) 広大な段々畑の水田を花パークに転換したものだ。その広さに驚く。客はちらほら。中央道に沿っているので中央道からも見える。16:30泉郷に帰着。


第4日

9:00開店を待っておにぎりを買い、美し森に向かう。たかね荘前の駐車場(海抜1,560m)にパーキングし、10: 00羽衣池に向かい登り始める。途中、美濃戸口から前日に赤岳に登ったが、美し森に下るルートがガレていて危険なので断念したという中高年の人と会う。下 山ルートとしては断念したが美し森を見たいと清里駅からわざわざ歩いてきたという。健脚に驚く。彼は我々でも牛首山(海抜2,280m)までなら行けるの ではという。当初は羽衣池から天女山(海抜1,529m)まで横断自然歩道を散策する予定だったが、気が変わり、途中の賽の河原(海抜1,906m)まで 登ることにする。帰りはリフトを使えばよい。皆リフトを使うためか登山者には一人も会わない。森林の延焼防止の防火帯に出会う。12:00賽の河原到着目 前でスキー場の上部に出る。眼前に広がる野辺山高原の雄大な景色を見ながらここで昼食。リフトは下りも往復と同じ料金をとる。

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野辺山高原の雄大な景色

リフト下部から赤岳と横岳がよく見える。赤岳の南側の竜頭峰の下には天狗尾根の頂部に恐ろしげな尖った岩が天を指してい る。牛首山から竜頭峰経由赤岳山頂に至る真教寺尾根は天狗尾根とは別に赤岳に取り付いているが急な斜面で登りたくないルートだ。美濃戸口から登った人が敬 遠したのが理解できる。赤岳に登るなら美濃戸口からのほうが易しそうだ。しかし登山のベテラン、まえじまてつお氏の赤岳登頂記録では真教 寺尾根は下りはともかく登りは問題ないようだ。ベテランだからそう言えるのかもしれない。14:00たかね荘着。清里駅経由で甲斐大泉駅に向かう。清里高 原道路が川俣川の深い渓谷を渡る橋から八ヶ岳連峰を観望すると渓谷の尽きる先に赤岳、阿弥陀岳、権現岳が見渡せる。甲斐大泉駅から天女山に向かう道の右手 にある八ヶ岳倶楽部に立ち寄る。(Botanic Garden Serial No.172) その後、今日のそもそもの目的地天女山駐車場に立ち寄って、15:30泉郷に帰着。

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八ヶ岳倶楽部

C202はトイレの臭いがたえられなくなったので、D101に代えてもらい引越し。こちらはほとんど臭わないのでホット する。「水洗トイレとインターネット接続さえあれば、山中の茅葺の農家もかえって快適な住空間になる」と日本在住の外国人 が言っていたが、まったく同感。


第5日

朝から雨。新居でくつろぐ。井形慶子の「イギリス式お金をかけず楽しく生きる!」と池上俊一の「シエナ」を読破。散歩が てら泉郷内にある聖ベルフォーレ大地の母教会を視察。ウィーン生まれのシャルロッテ・サンガーが貿易商北村崇介氏と結婚、1912年、横浜の山手で暮らし 始めた。夏は避暑のため八ヶ岳の別荘で過ごした。夫の死後、この地の別荘を解放して孤児の面倒を見る「大地の園」を開設。このイメージをもとに映画美術監 督の今村力が屋外結婚式場としてデザインしたものである。

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聖ベルフォーレ大地の母教会


第6日

移動日。食前にすべてパックし、8:30出発。逆経路でノンストップで12:00帰宅。

September 7, 2002

Rev. November 24, 2017


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