旅行中のメール・インターネット接続


2002年頃の事情

(1)交換機経由のホテルやオフィスのビジネスフォンなどでデジタルPBXを使っている場合、パソコン内臓のアナログモ デムでは外線に接続できない。公衆電話も東京以外はアナログ接続端子を持っていない。ローム社の一部の電話機以外全ての電話機に仕える方法として、ホテル のハンドセット(受話器)がモジュラージャックで電話機本体と接続されている形式の時、使える方式がある。受話器のモジュラージャックを外し、受話器の代 わりに間接接続用インラインカプラーをまず電話器本体に接続し、これに受話器を接続する。次にパソコンのモデムをこのインラインカプラーに接続すれば、外 線接続できる。トーン回線の場合は受話器を上げて外線ボタンまたはゼロボタンを押して外線に接続してからパソコンの接続ボタンを押す。パルス回線の場合は パソコンを手動呼び出し設定にしておいて、手動で接続ポイントを呼び出しモデム音が聞こえたらパソコンの接続ボタンを押す。旅行に持ち歩いて便利なSony Handycam IP55などは手動呼び出し設定が出来ないため、残念ながらパルス回線には使えない。また通常の家庭用電話機で間接接続用インラインカプラーの作動試験しても正常には作動しない。ホテルなどではデジタルPBXでない場合もあるので、確認して使った方がよい。

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間接接続用インラインカプラー

(2)(1)の方法の他に受話器に音響カプラーを受話器に装着して通信を行なう究極の方法もあるが、(1)の方が機器が安いし、小型であるし、高速である。

(3)デジタルPBX経由でない場合は電話回線に直接モデムを接続できるが、モジュラープラグが日本と同じ国は米国、カ ナダ、グアム、スペイン、ポルトガル、メキシコ、タイ、台湾、中国、ミャンマー、ベトナム、GCC諸国である。これ以外の国にはそれぞれに対応するモジュ ラープラグ変換アダプターを持ってゆかないと接続できない。全部そろえるのはコストがかかるのでヨーロッパ主要6カ国のコネクターを6面体に装着した キューブをまず買うことを薦める。すなわち英国タイプ(オーストラリアを除く英連邦、香港、シンガポール、マレーシア、アブダビ、オマン、カタール、キプ ロス、サウジアラビア、ヨルダン、マルタ)、フランスタイプ(アルジェリア、タヒチ、モーリシャス、サウジアラビア)、イタリアタイプ(エチオピア、サン マリノ)、ドイツタイプ(リヒテンシュタイン)、オランダタイプ、ベルギータイプである。それ以外はその都度買い求める。オーストラリアタイプ(フィ ジー、ニューカレドニア、インドネシア)、スイスタイプ、北欧タイプ(フィンランド、ノルウェー)、ロシアタイプ(ポーランド、ブルガリア)などである。

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主要6カ国のコネクターを6面体に装着したキューブとブルーツースモデム

(4)(3)のモジュラープラグを持って行ってもまだ問題がある。外国の電話回線は4線方式である。モデムは2線であ る。接続方式として外側ストレート、内側ストレート、内側逆極性、外側逆極性の4つがある。これを切り替えることができる回線チェッカーをもってゆかない とパソコンを破壊してしまう可能性がある。

(5)電源プラグも国毎に異なるので、やはり事前に変換プラグを用意しておかなければならない。

(6)神戸芸術工科大学が開発したフリーソフトKDUmailを フロッピーディスク(FD)にダウンロードし、メールアカウントをあらかじめ設定して持ち歩き、旅先でインターネット接続可能な日本語のWindowsパ ソコンを一時借用して、これにFDを差し込めば、自分のメールアカウントに接続できる。借用したPCには何も記録は残らない。ただしこのFDは紛失しない よう。

以上の対策用ハードを売っているサイドを紹介しよう。その名もwww.warrior.co.jp/である。

くわしい情報を実践から学んだ豊原氏から沢山教えていただいた。氏のモバイル技術のサイトはwww.toyphara.com/mobile/である。


2017年

SIMフリーのG4規格のスマートフォーンで世界のどこでも安い料金でインターネット接続が可能となった。

2002/11/29

Rev. July 21, 2017


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