シリアル番号 | 日付 |
716 |
2002/8/24 |
名言 | もしかある日、 もしかある日、私が山で死んだら、 古い山友達のお前にだ、 この書置を残すのは。 おふくろに会いに行ってくれ。 そして言ってくれ、おれはしあわせに死んだと。おれは母さんのそばにいたから、ちっとも苦しみはしなかったと。 親父に言ってくれ、おれは男だったと。 弟に言ってくれ、さあお前にバトンを渡すぞと。 女房に言ってくれ、おれがいなくても生きるようにと。お前がいなくてもおれが生きたようにと。 息子たちへの伝言は、お前たちは「エタンソン」の岩場で、おれの爪の跡を見つけるだろうと。 そしておれの友、お前にはこうだーーー おれのピッケルを取り上げてくれ。 ピッケルが恥辱で死ぬようなことをおれは望まぬ。 どこか美しいフェースへ持って行ってくれ。 そしてピッケルのためだけの小さいケルンを作って、その上に差しこんでくれ |
言った人、出典 | デュプラの詩 「もしかある日」 |
引用した人、他 | 井上靖著 「氷壁」 で引用 |