言語録

シリアル番号 日付

311

99/02/13


名言 どのような知的影響からも完全に免れているという自負心を持つ実際家たちも、すでに過去のものとなった経済学者の奴隷であるのが常だ。虚空に声をきく狂気の権力者たちも、実は、数年前のヘボ学者の書いたものを種本としている。・・・

・・・経済・政治哲学の分野では、25才ないし30才を過ぎてから新しい理論の影響を受けるものはあまり多くなく、したがって公務員にしろ政治家にしろ、 あるいはまた扇動家でさえ、日々の出来事にたいして適用する思想は、最新のものでないのがふつうだからである。しかし、良きにつけ悪しきにつけ危険なの は、結局のところ、既得権益ではなく思想である。

ケインズは同じ趣旨のことを別のことばで語っている。
『この世で一番むずかしいのは新しい考えを受け入れることではなく、古い考えを忘れることだ。』
"The difficulty lies, not in the new ideas, but in escaping from the old ones, which ramify, for those brought up as most of us have been, into every corner of our minds. "
〜ジョン・メイナード・ケインズ(1883年6月5日- 1946年4月21日)〜
言った人、出典 ジョン・メイナード・ケインズの「一般理論」1936 John Maynard Keynes
The General Theory of Employment, Interest and Money

理論の重要性について
引用した人、他 ポール・A・サミュエルソンが「経済学」で

ロバート・B・ライシュは「暴走する資本主義」 で次のように言う。「そのえらそいな経済学者だって(2006年に死んだミルトン・フリードマン新古典主義を暗に批判して)18世紀にアダムスミスが打ち 出したものとほとんど変わっていなかった。「彼らは、すでに起きていた変革をうまく説明できたにすぎない。彼らは変革をおこしたのではなく、言うなれば正 当化しただけなのである」と指摘する。

アンドリュー・E・バーシェイ著「近代日本の社会科学 丸山眞男と宇野弘蔵の射程」でケインズは経済思想の創始者とその受容者との間のタイムラグという観念を導入して批判を洗練化したと指摘。

 

Rev. April 22, 2017


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