シリアル番号 | 日付 |
202 |
98/03/24 |
名言 | 処女作にはその著者のすべてが胚胎している または 作者は処女作に向けて成熟する |
言った人、出典 | 不明 |
引用した人、他 | 出版社広報紙「出版ダイジェスト」で引用 神崎繁が「私の『欄外書き込み』(マルギナリア)から」ーホッブスのメディアからー学士会報1998-II No.819 |
トマス・ホッブスは13才の時、エウリピデスの「メディア」をラテン語から英語に翻訳している。夫イアソンの不義への復讐として、彼との間の二人の息子を殺すメディアのその決断についてホッブスはこれは激情のなせる業というより判断に基く行為だとする。
ホッブスが英国の市民革命を見ていた目はホッブスが40才にして訳したツキジデスの「戦史」の眼で見ていたのと同じく、13才の時訳したメディアの「理性の狂気」を認識していたと思われ、「作者は処女作に向けて成熟する」という言葉を神崎繁は思い出すのである。
Rev. January 9, 2011