シリアル番号 | 日付 |
106 |
2006/7/16 |
名言 |
日本の政治家をみてるのに、なんかしょっとしたはずみに本を読んだり、人に聞いたりしたことを全部鵜呑みにして暗記するらしい。それが彼のイデオロギーなんだ。彼の政治思想というものが彼にあるならそれは別問題なのだ。 或る一つの政治イデオロギーというものを持ってる人と話をするとする。それが資本主義であろうが、社会主義であろうが、何でもいい。ところが個人的に話してるときの、その人の政治思想というものと、演説したり、物を書いたりするときとは違っているのだ。ということはイデオロギーというのは単なる道具なのだ。自分じゃ思想と思っている。だからはっきりいえば、彼らに思想はないのだ。その結果例えば論争が展開された場合に、その論争というものが、両方の人が持っているいわゆるイデオロギーから出た論争なのである。だからいつでも感情問題になって、喧嘩になってしまう。というのは、両方とも、あなたの思想はこうで、それを推してゆくとこうなるじゃないか、だからここで落ちつこう、ここまで認めるがここまでは譲れないというような議論はあり得ない。両方で別のことを言い合っている。だから論争になれば、感情的な喧嘩のほか何もない。お互いに言いっ放しだもの |
言った人、出典 | 白洲次郎 |
引用した人、他 | 原典は「プリンシプルのない日本」 |