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シリアル番号 表題 日付

999

基本高水量

2005/10/23


2005/10/23朝日社説

洪水のハイドログラフ(流量が時間的に変化する様子を表したグラフ)を基本高水。河川のダムや遊水地などの規模を決めるための設計基準とする。

一級河川では80年に一度、または200年に一度のどちらかできめる。

1980年策定の利根川の治水計画は200年に一度をベースとし基本高水量=22,000ton/sec

しかるに現在の6つのダムでは1,000ton/secしかカットできない。

計画の6,000ton/secを上流でカットするためにはあと21基のダムが必要
このようにダムによる治水は破綻している。

しかるに官僚と御用学者に対案はない。

私の対案:

堤防の幅を増して補強するスーパー堤防化は今のペースでは1,000年かかるという。 造山帯にある日本列島では長い目で見てダムは埋まり堤防をかさ上げしても天井川となるだけである。200年に一度の洪水対策とならない。したがって農業用 地の多い地区を遊水地区に指定し、堤防で囲み、その中に住宅ある場合は公的資金でコンクリート基礎のかさ上げまたは土盛りした人口地盤の上に建てて洪水か ら守りつつ、200年に一度の遊水地とする。洪水後に残る洪水土砂は堆積したままにして公的資金で農地をその上に再造成する。

山岳地帯にある扇状地では山から流れ出る川は永年の土手のかさ上げで周辺の住宅地より高い天井川となっている。これも破綻した方針なので長期計画を策定し て扇状地の低地にある住宅や土地に川を誘導し、天井川に替地を提供してそこに住むという ゾーニング政策を採用する。

このような国家方針の大転換は官僚と御用学者の能力の外となるため、住民が自覚して納得し、政治家に働きかけないかぎり無理であろう。ニューオーリンズの 愚行が我が国で再現された時に住民が立ち上がることになるのかならないのか。

関東平野1,000万人の住民自身の問題であり淀川水域でもどこでもおなじ。温暖化で200年に一度の洪水の時期は早まっていると思うのだが。

関連ぺーじ:「脱ダム宣 言


砂の土手

基本高水量 からみてダム路線は破綻している。最近明らかになった事実として戦後かさ上げした土手に川砂を使ったため漏水から堤防決壊が生じやすい。危険な土手の長さ は600kmに達するという。もし堤防が決壊すると地下鉄が冠水し、都市機能がマヒする。

September 5, 2010


2015年の鬼怒川の決壊

September 15, 2015



2019/10/12 の台風19号による千曲川の氾濫について

現在の七里ガ浜の終の高地の住まいを選んだのは、無意識のうちに、先 祖が千曲川の洪水に骨にしみて河岸段階の高田の土地にずっと住んでいた記憶があるためと感謝している。おなじく母方の先祖は善光寺洪水のとき、馬で避難し たとき、洪水のあと水が引いたとき、馬だけが草を食べていたという伝えられている。現在の千曲川の土手が切れたのは明治期にもあった。今回の穂保 地区にその記憶があったため自発的に半鐘を鳴らして自主避難したという。

歴史的には日本の河川は例えば千曲川の河岸段丘下の低地は江戸時代後半から水田 として新田として開発され、戦後はここに工場や宅地をなっていた。結果として千曲川の土手まで住宅地となった。そしてついに北陸新幹線の車庫に一両35億円の車両を保管しておいて10両も 水に浸るような事態となった。悔過として北陸新幹線ばかりでなく、日本中の新幹線の車両基地はほとんど洪水の時は水の下になるという。

日本の都市の雨水排水能力は50mm/hで設計されているため、これ以上の降雨は排水できない。そしてこれからはこの限度を超える頻度が増える。電気室を持つタワーマンションは同じ弱みがある。

現在いま経験している強風あるいは洪水が100年に一度だけと認識されるなら、社会資本を投入するインセンティブは出ない。もし100年に1回くらいの洪水なら人々は運命としたがい、神の迷い事とみなす だろう。

何度も同じ事態に遭遇すれば二酸化濃度による温暖化を信ずるだろう。そうすれば再生可能エネルギーに取り組むようになるかもしれない。人々は日本に残った製造業のうち、日本が技術力がまだあると認識して、素材製造業を電池製造に適応したとしても火力発電大明神には対抗できない。

製造業が平凡な人々を養うというジレンマは米国、ヨーロパ、中国に共通する困難さだ。

October 18, 2019


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