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806

ゼロ、アルゴリズム、微分記号

2004/05/05

0(ゼロ)という記号が使われた元も古い記録はカンボジア。

アル・フワーリズミは780年頃「インド人による加法と減法の書」を著した。・・・フワーリズム(ホラムズ)地方(現ウズベキスタン・タジキスタン)の出身

ヨーロッパでもこの本のラテン語訳を通じてインド式記号法を使わざるを得なくなった。

その中で「アル=フワーリズムが(言うには)を「(Dexitディクシット)Algorismi(アルゴリスミ)」と訳したのがのちに勘違いされて、計算手順や計算方法のことを「アルゴリズム」と呼ぶようになりまた、インド式記号法のことを「アラビア数字」と呼ぶようになったのである。ゼロという言葉もこの本のラテン語訳でzephirumとされたのがもとらしい」

ここまではアジア系の人によって数学が発展した。

16世紀以後は伊・仏・英の人によって数学のルネッサンスが起こった。

「ニュートンの遺稿・・・によると特に影響を与えたのはデカルトとウォリスらしい。ニュートンは微積分と力学の基礎を確立するのである」

・・・以上、木村俊一著「天才数学者はこう解いた、こう生きた」方程式四千年の歴史、講談社選書メチエ225(2001.11.10発行)

「ニュートンは偉大であるが,過去の蓄積の中で熟すようにその偉業をなしたことは明らかであり、ニュートン以前と以後は決して非連続とは言えないと思います」・・西野

ニュートン流の微分記号、状態変数の頭に点を付す(例えば、xドット)は、自動制御などの一部の分野を除き使われなくなってしまった。ライプニッツ流のdx/dtが主流となってしまいました」・・・まえじま

数学、工学で使用するギリシア文字たとえばπは日本語フォントに関するJIS規格に従い、一括記号としてくくられているのでパソコンで式を書くとき時間がかかって仕方がない。日本語フォントは使わずアルファベットでギリシア文字のそれ、たとえばパイの場合pとタイプし、フォント指定でsymbolを指定すればpとなる。JIS規格のπはいわば外来の珍奇な文字扱いで、断絶があるが、フォント指定でsymbolを指定したpはアルファベットなのだ。ここでヨーロッパのギリシアからの連続性を感じる。JIS規格は日本の理解の限界を示すもの。

最近英国人のギャビン・メンジーズが書いた「1421 中国が新大陸を発見した年」で開示された新説、「永楽帝の臣下の鄭和がもしかしたらコロンブスより70年前の1421年に世界一周をしていたのではないか」など、西と東の関係の見直し論で知識の発見、創造、伝播、継続、発展など人間システムのカオス的揺らぎに興味を覚える。


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