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シリアル番号 表題 日付

804

ラピスラズリ Lapis Lazuli

2004/05/01

日本では瑠璃(るり)とよばれ、仏教の経典で七宝の一つとされた。空海の護符として有名。青金石とも呼ばれる。

青色のラズライト(藍方石)を中心鉱物とする石で、ソーダライト、アウイン、方解石、黄鉄鉱など数種類の鉱物から構成される。化学組成(Na,Ca)7-8(Al,Si)12(O,S)24[(SO4),Cl2,(OH)2]、等軸晶系。硬度5〜5.5。比重2.4。ガラス光沢をもち、青、紫青、緑青色。結晶はまれで、ふつうは粒状のものがあつまって塊をつくる。

粉末はウルトラマリン(群青)とよばれる顔料や岩絵の具としてももちいられるが、現在では合成品がほとんどを占める。

明日香村の高松塚古墳の壁画の青色の顔料がアフガニスタンに産するラピスラズリ鉱石を使っていることが蛍光分析で明らかになった。この鉱石は紀元前のメソポタミアで装身具として使われ、正倉院にもラピスラズリで装飾した革帯がある。国内での顔料として使用は高松塚が初めての発見。−朝日

フェルメールの「デルフトの眺望」の雨上がりの空の青、「青いターバンの少女」のターバンの青はアフガニスタン産の石、ラピス・ラズリを砕いて粉にして亜麻仁油を加えたウルトラ・マリン・ブルーという絵の具を使っていたとわかっている。ザーンセ・ススカンス村にある風車では今でも鉱物を粉砕して絵の具を作っているが、ラピス・ラズリは高価なため、風車は使わず人手で突いて粉にしている。フェルメールは「デルフトの眺望」の生垣の緑すらウルトラ・マリン・ブルーと黄色の絵の具だけで描いたという。

若冲もラピスラズリなどを使った高価な岩絵の具をつかった。

ドガ(Degas)は晩年目を悪くしてパステルで描いたが 、このパステルもラピスラズリなどの岩を砕いて製造された。

Rev. November 5, 2010


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