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774

天命思想

2003/12/29

中華思想の根幹をなす天命思想のエッセンスは「有徳君民」である。すなわち「徳のある者が民衆の君主となる」である。これは垂直思考である。

「徳化思想」とは「天子が民衆を教化する」すなわち中華が夷狄(いてき)を教化し、朝貢を受ける関係を正当化するもの。天子の徳に感化し、中華の礼(文化)と義(道義心)を獲得すれば、夷狄も中華の民とみなした。華夷思想ともいう。これは民族の違いによる差別ではなく文化的な区別である。

天命思想は垂直思考であるが華夷思想は水平思考である。

漢の武帝の時代に儒教が国教化されてからこのイデオロギーが強固に社会各層に浸透した。ついてイデオロギーが現実を規定するようになり広大な中華帝国が生み出された。

永楽帝


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