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580

揣摩(しま)の術

2001/12/31

君主の心を見抜き、思いのままに操縦する術。一種の弁論術。

司馬遷の「史記」張儀列伝第十にでてくる張儀(ちょうぎ)と蘇秦(そしん)が揣摩の術の達人として有名。合従連衡ということばもこの二人が成し遂げた偉業である。

ただ彼らの弁論術は論理で相手を追い詰めることはしない。ここが政治権力に妨げられず、純粋に哲学を追求した階層があったインド・ギリシアの弁論術とことなる。

中国最高の論理家韓非子は中国社会では何が正しいか正しくないか一義的にはきまらない、人間関係できまる、すなわちアリストテレスの形式論理学の基本法則を否定している。

日本の聖徳太子の十七条憲法の以和為貴が弁論術全体を否定している。

小室直樹著「数学嫌いの人のための数学


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