| シリアル番号 | 497 | 
| 書名 | 数学嫌いな人のための数学 | 
| 著者 | 小室直樹 | 
| 出版社 | 東洋経済新報社 | 
| ジャンル | 数学解説 | 
| 発行日 | 2001/10/25第1刷 2001/11/26第2刷 | 
| 購入日 | 2001/12/23 | 
| 評価 | 優 | 
数学、経済学、法学を学んだ著者が縦横にその博識を披露して展開する論理学の本質。
やさしくくつろいで読める。
日本(含アジア)と西洋の思考形態の決定的違いが鮮明になる。グローバリゼーションの時代に世界に伍してゆかねばならないとき、日本人の必読の書。全ての世直しはここから始まるし、何世代かけても変えてゆかねばならない。
中国では論争は活発だが、しかしそれは西洋の論争とはちがう。いわゆる「揣摩(しま)の術」(君子の心を見抜き、思 いのままに操縦する術)は論争で相手を追い詰めることはなくお説にしたがうようにしようという気を起させる術である。インド・ギリシアの政治権力に独立に 純粋に哲学を追求する階層を生んだが中国では思想家は常に政治権力者から独立ではありえなかった。
その文化の影響下にある日本はいわんをや。
わが一文、「揣摩の術の悪弊」に引用させてもらった。