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1264

気候変動と水蒸気

2010/01/31

IPCCの公式見解では化石燃料の利用により大気中の二酸化炭素が増えれば気温が上昇すると予測してきたが最近その上昇は予言通りではなくなり2010年にはむしろ寒波が襲ってきてコペンハーゲンのCOP-xxも意気があがらなかった。

英国の気象学者が記録の恣意的解釈をしたというクラーメート・ゲート事件があかるみにでたり、太陽黒点周期が影響するとかいろいろの仮説が出されてきた。

米海洋大気局(NOAA)のスーザン・ソロモン博士らがサイエンス誌に成層圏下部の水蒸気濃度が2000年以降10%減少に転じたと発表。成層圏の水蒸気が減れば、二酸化炭素による温室効果との合算 しても25%むしろ減る。このためIPCCの予想の0.14度上昇が0.1にとどまったと発表した。朝日記事

もしこれが二酸化炭素が対流圏で増すと、成層圏の二酸化炭素減少の直接の原因となっているならば大気は負のフィードバックを持っていて自己安定性があるということになり、IPCCの予測は誤りとなる。もしそうなら自然エネルギーや原発を増設しての温暖化防止の論拠は弱くなる。

水蒸気は二酸化炭素より温室効果が高い。しかし対流圏の水蒸気は雨となって地表にもどるので一定に保たれ、温暖化にはニュートラルとされてきた。成層圏の水蒸気に着目したのは慧眼。この測定結果は気温が二酸化炭素だけの予測で説明できない理由をよく説明している。ただ成層圏での減少の理由は明らかになっていないとしている。

これは私の仮説だが丸山茂徳教授の宇宙線論を修正して太陽黒点が減少すれば地球磁場が弱くなり、宇宙線が地表により多く降り注ぎ、水凝縮の核が出来やすくなる。雨が多く降って成層圏下部の水蒸気が減少するということも考えられる。 教授は雲が地球のアルべドを増して冷却するとしているが、いくら雲がでても雨となってしまうのでここで教授は間違えている。じつは成層圏下部の水分が減少したとすればうまく説明がつく。

10年サイクルで生じるENSOサイクル(El Nino - Southern Oscillation)は太陽黒点と関連があるとされている。熱帯がこのENSOサイクルをくり返していると考えられているがあるいは成層圏下部の水蒸気濃度もエルニーニョすなわち黒点サイクルと関連するなら一時的気温上昇の緩和作用ということになる。 一時的自然現象に惑わされずに二酸化炭素排出抑制は大切という論点に戻れる。


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