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1204

民間機への撃墜命令の法的根拠は?

2008/07/14

洞爺湖サミットが終わった先週、自衛隊が民間航空機を使ったテロを想定した机上演習を行っていたことがニュースになりました。NHKのニュースでは、民間機が通常の飛行ルートを外れ洞爺湖に向かった場合の対テロシミュレーションを紹介し、威嚇射撃も効果がない場合に、最終的に「撃墜」という命令が下されたと報じていました。アメリカでは911の際に、チェイニー副大統領がテロリストに乗っ取られた民間機への撃墜命令を出したとか、ドイツではいったん国防大臣に撃墜の命令権が与えられ、その後裁判所が違憲判断をしたとか、そういった海外の事例も紹介されました。

わたしはそういった伝え方に、違和感を持ちました。NHKが、自衛隊による「民間機撃墜」というオプションの「法的根拠」に言及しなかったからです。もちろん問題は他にも、たとえば世界中の要人が集まったサミットが標的だったらテロリストが乗っ取った民間機を撃墜してもいいのか、政治的なテロリストではなく理性を失って自暴自棄になった犯人に乗っ取られた民間機が国会議事堂を目指した場合はどうなのか、皇居を目指した場合はどうなのか、一般の会社や学校や企業ビルを目指した場合はどうなのか、それぞれに果たして違いはあるのか、考慮しなければいけないことは多々あります。ただし、どのような場合でも、自衛隊が民間機を撃墜するためには、国民が合意できる法的な根拠が必要です。

ー村上龍

この報道を聞いた時、不快感 の念をもった。村上龍は法的根拠を問うている。そのとおりであろう。しかし法以前の価値観の問題ではなかろうか?ノブレスオブリージの精神をどこかに忘れてしまったのではないか。

軍は沖縄で民間人を楯とした。また自分達仲間の鎮魂の靖国神社はつくるが民間の犠牲者の鎮魂の神社には無関心なのとおなじ精神構造だろう。


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