読書録

シリアル番号 946

書名

カンブリア爆発の謎

著者

宇佐美義之

出版社

技術評論社

ジャンル

進化論

発行日

2008/4/25初版第1刷

購入日

2008/4/29

評価

リチャード・ドーキンスの本「ブラインド・ウォッチメーカー 上下」だったと思うが、スティーブン・ジェイ・グールド のバージェス頁岩から推論した「区切り平衡説」ないし「平衡断絶説」を激しく批判していた。その後、問題の書、「ワンダフル・ライフ バージェス頁岩と生物進化の物語」を読んだが語り口が見事で楽しめた。

宇佐美義之は物理学者でコンピュータのなかで人口生命の進化を研究しはじめたことからカンブリア爆発にのめり込んで生物学者がしたことを勉強し、この解説書まで書いてしまった。

結論からいうとその後の世界各地、特に中国の澄江(チェンジャン)での化石の発見で遺伝子レベルでの進化は連続して生じているが或る時突然進化が爆発的に生じるように見えるのはすでに進化していてはいたが、化石を残さなかったため見えなかった種が寒冷化などにより大多数の種が絶滅するとその隙間を埋めるように生き残った種の個体数が増えて後世の我々に見えるようになるのと同時にたまたまゴンドワナ大陸などが割れることによってリン酸塩が増えると硬い殻の生物が増え、結果として化石として残り易いことなどで爆発したようにみえるだけという。そういうわけでやはりスティーブン・ジェイ・グールド の平衡断絶説よりリチャード・ドーキンスの進化は一定の確率でほぼ連続的に生じていると見るほうが正しいとわかりつつあるらしい。

生物の大量絶滅は

6億3,000万年前のマリノリアン氷河期(スノーボールアース)以降はエディアカラ紀

5億8,000万年前ガスキアス氷河期以降エディアカラ生物群発生

5億4,200万年前からカンブリア紀


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