読書録

シリアル番号 852

書名

不如帰(ふじょき)

著者

徳富健次郎(蘆花)

出版社

岩波書店

ジャンル

小説

発行日

2002/1/7発行

購入日

2007/9/6

評価

母の蔵書、岩波文芸書初版本復刻シリーズ7,600円

一般には「ほととぎす」として知られる小説。海軍少尉川島武男の出征中に肺結核を理由に姑に離縁される妻、浪子をめぐる悲劇を描く。

蘆花夫妻が逗子の田越川沿いの旅館「柳家」に滞在中に人に聞いた実話を小説化したもの。
東北周遊のツーリングに出発すべく長野に滞在中、徳富盧花の「不如帰」を手にとってパラパラとページをめくると水沢観音という字が目に入った。引き込まれて1日で読破してしまった。最後のページで浪子が武男に書き残した手紙を読んだ瞬間思わず慟哭がこみあげて驚いた。作家は実話につきうごかされて書いたそうで、なにか普遍的なものがあるのであろう。

 このようなことが縁となって逗子の桜山には蘆花記念公園があり、逗子湾には浪子不動や不如帰碑がある。


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