シリアル番号 | 848 |
書名 |
全地球凍結 |
著者 |
川上神一 |
出版社 |
集英社 |
ジャンル |
サイエンス |
発行日 |
2003/9/221第1刷 2004/10/31第3刷 |
購入日 |
2007/4/19 |
評価 |
良 |
集英社新書
最近「グローバル・ヒーティングの黙示録」という論文を書いた。そこではカンブリア爆発の前に氷河期があったと書いたが、実は全地球凍結に至る寒冷期だったという最近の仮説を詳細に学ぶために買い求める。
スノーボール・アース仮説は7億年前の氷河堆積物、縞状鉄鉱床、石灰岩が対になって世界各地で発見されたことを説明するために考えられた。いずれも超大陸 の生成と分裂に起因する。すなわち超大陸の分裂はカルシウムイオンの供給が増えて、炭酸ガスが石灰石として固定されるため寒冷化する。そして海洋が氷結す ると炭酸ガスの固定が停止し、海水は酸欠となって鉄イオンが溶け出す。氷結期間中、火山活動によって放出される炭酸ガスが増えて温暖化して溶氷するという サイクルを繰り返す。溶氷すると鉄イオンが酸化して沈殿し、縞状鉄鉱床となる。
ロディニア大陸が分裂しゴンドワナ大陸となったころのことである。
二酸化炭素
濃度は温室効果に影響しないに記したのだが、ここでは二酸化炭素濃度が凍結と溶融サイクルの要因として海流による熱移動、太陽光度変化、地軸の傾きよりなどより感度が高いとしている。そしてその二酸化炭素濃度は火山活動、大陸の合体による超大陸の出現と分割、分割によるカルシウム供給量によって変動するとしている。
Rev. December 12, 2017