読書録

シリアル番号 654

書名

嘘つき大統領のデタラメ経済

著者

ポール・クルーグマン

出版社

早川書房

ジャンル

時評

発行日

2004/1/15初版

購入日

2004/09/22

評価

原題:The Great Unraveling Losing Our Way in the New Century by Paul Krugman

「日本経済は流動化のワナ」にはまったというクルーグマン教授の分析に感銘を受け、彼のコラムはニューヨーク・タイムス誌に掲載された頭書から時々読んでいた。 また彼の通俗解説書もLibrary Serial No.404, 411, 412, 436のように沢山読んだ。経済学者なのにブッシュの軍事政策に激しく噛み付く姿勢に驚いたものである。

印象深いコラムはPCにもコピーして保管してあるが、英語で読むより日本語のほうがやさしい。数年分のコラムをまとめて編集・加筆した本が日本語で出版されたので鎌倉図書館にたのみ、読めるようになった。

彼はなぜ米国のジャーナリストがなし得なかったクールな分析をなしえたかと自己分析して「それは自分がジャーナリストではなかったため」としている。ジャーナリストは情報源とのコンタクトを失いたくないために情報源を批判できなくなる。心配は無用、情報のほとんどは公開情報に含まれているといっている。特別な裏情報にたよらなくともいいわけだ。
ブッシュ政権=共和党政権=ワシントンのエスタブリッシメントの真の狙いは以下にリストアップする彼らが懐いている革命思想の実現にあるという。そしてそれが革命思想であるがゆえに、キッシンジャーがいうように「革命勢力の本質は自己の所信を断行することであり、彼らはその所信を限界までに実現することに実に熱心なのである」うそなどなんの良心の呵責なくつける。革命だからだ。

その革命思想:
(1)資産からの収入に対する課税をすべて排除する
(2)宗教と国家の分離原則の廃止
(3)アメリカの軍事力を世界の至るところ積極的に使用してパックス・アメリカーナを達成する


トップ ページヘ