読書録

シリアル番号 538

書名

嵐が丘

著者

エミリー・ブロンテ

出版社

中央公論社

ジャンル

小説

発行日

1963/9/12初版
1963/11/20第3版

購入日

2002/12/05

評価

嵐が丘をモデルにしたという本格小説を読んで本家の方を読みたくなった。ローレンス・オリビエ(ヒースクリフ)とマール・オベロン(キャサリン)主演の映画を観、1971年の英国滞在中はわざわざヨークシャーはハワースのブロンテ牧師館まで訪問し、手持ちの2つの世界文学全集にもそれぞれ収録されていつというのについぞ手にしたことはなかった。

読み始めても家政婦のディーンが語り出すまでは幾度か挫折しそうになったが、彼女の話が始まると引き込まれ、あとは一挙に読破ということになった。やはり名作という感を深くする。映画ではこうまで描けない。

本格小説もよく戦後日本に移植したものだとあらためて感心した。

ちなみに1963年に配本になった一冊は定価390円であった。

ヒースクリフの居るアーンショウ家の嵐が丘邸のモデルはトップ・ウィンズの廃墟。この丘はかって羊毛を運ぶルートであったが、工業化が進むにしたがい、ここにあった農家は皆廃業。

トップ・ウィンズから4マイル離れた谷底にあったリントン家の鶫(つぐみ)の辻邸のモデルは貯水池近くにたつポンデン・ホールがモデルとされる。

現在は小説と逆転してポンデン・ホールのオーナーがトップ・ウィンズも所有し、羊を飼っている。

ー朝日 be on Saturday 小山内伸記者


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