読書録

シリアル番号 1148

書名

風たちぬ・美しい村

著者

堀辰雄

出版社

新潮社

ジャンル

小説

発行日

1951/1/25発行
1994/6/10第99刷

購入日

2013/06/30

評価



新潮文庫

鎌倉図書館蔵

日本の製造業は今後どういう展開になるか興味あるところだ。しばらく中国が中心でうごくが、その後はアフリカが待っている。ということは今後数十年は日本 では製造業は希望がない。製造業に希望がなければ製品に命を吹き込むデザインに賭けるしかない。では日本はデザイン(ビジネス・デザインも含めて)で生き 残れるか???

日本のお家芸のマンガやアニメの世界もそろそろ危ない。最後のアニメーター宮崎駿の最後の作品?がゼロ戦の狂的で偏執的なデザイナー堀越二郎をモデルにし た「風立ちぬ」という。デザインは個人の脳裏にうまれるもので集団主義はそれを殺すだけ。日本の宿痾は個人の運命が会議によってきめられていく。だから、 追いつめられるとネズミのような突撃死しか残っていない。

宮崎駿はタイトルは堀辰雄の「風たちぬ」からとったという。というわけで「風たちぬ」を読み始めた。節子という婚約者をもった男の話だ。富士見高原のサ ナトリウムを舞台にした退屈な小説だ。実話であるようだが。だらだらと節子の死まで付き合わされるなら投げ出そうと思ったが、さすが途中で転調して死後 の主人公の描写で終わっている。

その前に書かれた軽井沢を舞台にした「美しい村」を読み始めるが、これは挫折。鼻曲山に登るような描写があり、山頂から中央アルプスが見えるとある。2005/11/1にこの山に登っているが中央アルプスを見た記憶がない。そこでアルバムを見たが、八ヶ岳連峰までは見えるがその右に見えるはずの中央アルプスは霞のなかで写っていない。


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