読書録

シリアル番号	1096
書名	NHKスペシャル　日本人はなぜ戦争へと向かったのか　戦中編
著者	NHK取材班
出版社	NHK出版
ジャンル	政治学・地政学・行政学
発行日	2011/11/25第1刷
購入日	2011/12/28
評価	優

評判になったNHKTV特集「日本人はなぜ戦争へと向かったのか」のディレクター内藤誠吾氏の署名入りの本を2011/7にお母様からいただいた。この本２冊もって英国にでかけたが、忙しくて読む暇がなく、そのまま持ち帰った。

この本は2011/12に内藤誠吾氏に再度いただいたものだ。ところが本を手にとっても戦中編を観た記憶がない。8月から9月にかけてロンドンに居たから見落としたのだろうと思いつつ、内藤誠吾氏のあとがきを読むと8月15日放映されたという。そういえば、阿川弘之の「山本五十六」や「米内光政（上下2巻）」で美化された海軍や五十六像も森嶋通夫の「なぜ日本は没落するか」を読んで瓦解したことを思い出した。しかし世の中の評価はいまだ海軍贔屓だなと思っていた。これも東条に代表される陸軍憎しの反動だったのだろう。ところが最近、世の中一般の山本五十六の評価が地に落ちたように感じるのは、この特番の影響もあるのだろう。いずれにせよフレッシュな目で読める。じっくりと拝読しよう。

番組は映像化のため、文章のように沢山の事実の断片をすべて盛り込むことはできないから、このような取材ノートのようなものを残してもらえば番組を観た者にとって理解を深めるチャンスとなる。まして番組をみていない者にとっては世の中と付き合う基盤をえることができる。若き頃、長期間外国に滞在したのち帰国して世の中とのずれを感じた。それほどNHKの影響力は大きい。

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