PRO/II Process Simulation

Stirling Cycle

with Hot Water Heating

by Greenwood

屋根に設置するハイブリッド・コレクター(Hybrid Collector)で温水を作れば、大気をヒートシンクにする家庭用熱サイクル発電装置を構築できる。

アンモニアー水バイナリー・サイクルはコストを除けば実用になる出力が得られることが分かったが最高圧力が30気圧以上となって法規制がうるさく、家庭用に開発するにはかなり困難が予想される。

そこでスターリング・サイクルはどうか検討した。パナソニックからヘリウムガス封入の400Wのフリーピストン・スターリング・エンジンが市販されている。リニアジェネレーターなど組み込んだすぐれものだ。構造上水冷却のようだ。温度差200oC以上と書いてある。問い合わせると100oCの温水向けは販売していないという。

スターリング・サイクルは熱交換器一体の容積型の圧縮・膨張器を使い行程が複雑で理解がむずかしい。しかし熱力学的には連続運転の外熱式再生型ガスタービンサイクルと等価である。そこでPRO/IIを使ってシミュレートしてみる。ものの30分で答えがでた。

スターリングサイクルと等価の外熱式再生型ガスタービンサイクル

大気温度30oC、圧縮機断熱効率80%、膨張機断熱効率85%、作動流体が空気 としてまず圧縮比3から開始。しかし圧縮機吐出温度が温水温度を超えてしまう。そこで圧縮比1.5まで下げる。しかし正味出力はマイナスである。温水温度を240oCまで上げて正味出力がプラスと なることを確認。すなわち温度差にして210oCとなる。

容積型の圧縮・膨張機の断熱効率は少し良いだろうから、温度差200oC以上となるのだろう。したがってPVハイブリッド・コレクターで100oCの温水を作っているかぎりスターリング・エンジンは使えないということになる。

February 3, 2010


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