憲法改正について

憲法は欧米が近代化する課程で権力者が横暴 にならないようにその権力を制限する目的で制定された。日本の敗戦にともない明治憲法が戦争の原因となったとし、米国から新憲法があたえられた。その仕組 みは安全保障は条約で米国が守ることになっているから日本は交戦権を放棄するというものだ。

池澤夏樹氏の受け売りだが、矢 部宏治氏の「日本はなぜ、「基地」と「原発」をやめられないのか」(集英社)では、最高裁が「統治行為論」という詭弁で責任を放棄して逃げたために日米安保条 約が日本国憲法の上位にあることになった。そして行政の頂点には日米合同委員会がある、沖縄住民の頭越しに軍事基地が沖縄に座り続けるゆえんだ。

日米安保条約環境下で締結された日米原子力協定のもとでは原発をとめると、副生するプルトニウムを回収して発電につかえるという協定が無効になる。プルトニウムを保持して核の傘の幻想に身をゆだねたい政府はだらしなく、ヤバイ原発を再稼働したいわけだ。したがって沖 縄問題も原発問題でもなにも解決出来ない。プルトニウムを生まないトリウム熔融塩炉に興味を持たないのもむべなるかな。

この日米の仕組みが戦後70年、日本が戦 争に係わらずに済んだ仕組である。ところが米国の国力が衰え、この仕組みの維持が困難になってきた。隣国は経済発展し、軍事予算が膨大に膨れ上がってい る。この構造変化が集団的自衛権が最大の政策変更のトップにでてくる裏事情だ。弱くなった米軍の代替をしてくれという米国の要求だ。そして沖縄基地を沖縄以外に移転させようとしたり、原発を止めた日本の首相の首が飛ぶ理由だ。また政府が民意を踏 みにじる型で原発再稼働に拘るのも核の傘に逃げ込みたい衝動と米国の原発技術会社を買収したのだからその権益を守れという圧力のためだし、核拡散の防波堤になれという要求のためだ。これは「公的ウソ」で書いた通り。 要するに米国との取り決めが憲法に優先しているためである。

矢部宏治氏は日本がこの屈辱的状態から脱するためには憲法を改正して、「外国の軍事基地、軍隊、施設は、国内のいかなる場所においても許可されない」と言う条項を入れて国家主権を回復すればよい。フィリピンがそうした。そしてスプラトリーを失いつつある。

無論これは日本にとってそうとうな覚悟が必要。もし中国に侵略されたら、神風を期待して最後の一兵になるまで徹底抗戦する気迫が必要となる。温故知新、鎌 倉幕府に学ぶ必要がある。1274年第一次元寇の翌年杜世忠以下5名の国書を携えた元使が派遣されるが、第8代執権北条時宗は1275年9月7日斬首。そ の首を葬った五輪塔が我が町にある常立寺にある。最近モンゴル出身の横綱たちが雁首そろえて敬意を表しにきた。

私の個人的な利害関係からも横須賀から原子力空母と原潜が消えてくれたほうがいかほどいいか。

私の核抑止力は通常兵器搭載の潜水艦発射型クルーズミサイルを沢山持ち、万一核兵器攻撃を受けたら、投下国の原発全てを破壊し炉内にある4トンの核分裂物 質を撒き散らす、ダーティーボム事前配備戦略で自衛するというものだ。原発1発炸裂させてもせいぜい1kgの核分裂物質を撒き散らすだけだからその差は歴 然としている。

なぜ米国が日本に脱原発させないかは実にこのことに米国が気が付いたからかもしれない。まず米国が先に脱原発したい。これは米国の特定秘密だから絶対に口にしない。

憲法改正といっても米国がくれた人権擁護は最高レベルのものだ。安倍政権は9条改訂の余勢をかってついでに市民の 権利を縛ろうともくろんでいるようだから用心しなければならない。

週間新潮2015/3/5号に朝日新聞の購読者数30減とでていた。従軍慰安婦の誤報を30年以上修正せず放置したことに関する購読者の反発なのは明白だが。国民が右傾化したようにも見える。それでいーのかなー?

自民党の改憲戦略は2段階にして改憲なれをねらうという。

第1段階は2016年夏で

緊急事態条項:天災や有事の個人の権利制限⇒一見よさそうにみえるが、これはもともと憲法に入れる必要がないもの。戦前の国家総動員体制に帰ろうととするのか。いずれにせよ憲法を一部骨抜きにしようとするように見える。そして個人の自由制限にすすむ危険性がある。

財政規律条項:次世代への負担先送りを制限⇒一見正しいように見えるが、国民を逆にしばって増税をのませようという魂胆?そんな締め付けしなくとも国民が喜んで税負担して財政規律を保っている国はあるのだ。

環境権:国民の環境保全責任を定める。人為的温暖化説で原発をごりおしすることが隠された目的?

第2段階は国民投票

1条:天皇を元首と明確化⇒民主主義の理念に逆行。ありえない。

9条:戦力の不保持と交戦権否認の規定を削除し、自衛権発動を規定⇒交戦権は条件付きにすべきだろう。

12,13,29条:「公共の福祉」を「公益および公の秩序」に変更⇒これは容易に弾圧になりやすく憲法の精神に反する。

96条:憲法改正手続きを緩和

February 27, 2015

Rev. April 10, 2015


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