安価なソーラーセルを砂漠地帯に設置するソーラーセルで製造するという構想を断念された森永先生は次にソーラーセル、太陽熱利用、人工台風発電などを組み合わせたハイブリッドシステムを検討した。
森永先生はヨーロッパの教え子達を集め、2005年9月、イタリアのドロミテ ・アルプスのセラ峠で太陽エネルギー利用のインターナショナル・ワークショップを開催するのでグリーンウッド氏にも「人Power Generation by Artificial Typhoon」 について発表するようにと声をかけてきた。氏は断熱膨張の効果や、ドラフトタワーの構造設計プログラムを組み込んだモデルで再計算し、論文にまとめて発表 した。このセラヨッホハウスの集いにはヨーロッパからは イタリー、ドイツ、クロアチア、アジアの物理学者があつまった。パワーレザー開発で財をなし、今は引退してアウトバーンでマセラティやアストンマーチンを 260kmで飛ばすというヴェグマン氏とも友人となった。NEDOなどは引退者には公的支援をしてくれないので、ポケットマネーでの参加であった。
ハイブリッドはしかしソーラーセル自体の効率向上と製造費の低減のほうがより有効という弱みを持っている。太陽熱や廃熱 は熱の売り手と買い手の距離がはなれていて問題である。遠距離を鉄道やタンカーで輸送するほうがパイプラインによる輸送より安価であるとの試算もあるが最 終消費者にはパイプということになるだろう。だが日本では道路が狭く、電力線の地中化すらママならないのに、温水パイプの埋設までは手が回らないだろう。
April 7, 2008
Rev. June 6, 2012