第9回
自由人のエネルギー勉強会
エネルギーと戦争
2013年4月30日
学士会館
プログラム
あいさつ 森永晴彦元ミュンヘン工科大退任正教授
基調講演
青木一三 元千代田化工取締役 エネルギー専門家
昭和初期の戦争に向かう頃の思い出 参加者の中から85才以上の方
コメントと自由討論 井上忠雄 NBCR対策推進機構理事長 元陸自化学学校校長
森永先生は「自由人のエネルギー勉強会の英語名はThree I
s」とすると提案。心はIndependent Indivisual
Internationalだから。スイスやノルウェーにならって敵前逃亡をしても韓信の股くぐりをしても戦争にだけは巻き込まれないようにするのが最大
の国益であるという。過去重視の英米思想にのる国連重視主義は破綻しており、カーテシアン、すなわり論理的に考え行動を決める様式、ドイツに見習うことが
大切になると指摘。
基調講演は森永先生の考え(私の好みでもある)を公開文献調査で裏つけしたものであるため、引用文献リストもつけて著作権問題を回避している。私が引用し
た防衛大学の太田教授の本は出典を明確にしていないため、著作権問題を引き起こした。
素粒子学者であり、脳研究者である武田暁教授は戦争がべき分布になるのはその通りであり、サルでは世界大戦は発生しないが人間社会で発生するのは脳の構造
に由来する。従って今後も世界大戦は発生すると考えたほうが良い。ニコロ・マキアヴェッリの名言「わたしは、改めてくり返す。国家
は、軍事力なしには存続不可能である、と。それどころか、最後を迎えざるをえなくなる、と」とか「武器を持たない予言者はいかに正
しいことを言おうとも人々に聞き入れてもらえない宿命だ」とか「力こそ世の静まりをもたらす
ものである」にもあるとおりだという。そして「戦争しかする能のない者たちを常にかかえておくほど、為政者にとって危険なことはない」と締めている。
私の核なし核抑止力に関してパグヲッシュ会議日本代表の小沼通二氏が中国海岸沿いの原発を通常兵器で攻撃したとき、放射性物質がジェットストリームに乗っ
て日本にも飛来するのではないかとの指摘があった。無論ゼロとは言えないが、チェルノブイリの実績では300km風下では混合拡散により、稀釈されるた
め、移住
が必要になるような汚染は無いと期待できると回答した。
井上忠雄氏は中国が攻撃レーダーを照射したのは重大な問題で、攻撃に慎重な自衛隊だから良かったものの他国であれば戦争が勃発するところだったと指摘。
参加者の中から85才以上の方は殆ど森永先生の学友で旧制高校の自由な雰囲気でそだった人たちであることと軍部独走の目撃者の人々であったため、文民統制
の重要性を口にしたが。現役自衛官を父に持つ若い参加者は現在の自衛隊は文民統制が行き届いていて、とても昔のような軍部独走は発生しそうにもない。むし
ろ行き
過ぎで、これでは突発戦争に対応できないという意見があった。突発的に戦争が始まってしまうと収拾がつかなくなるもので、戦争にはいろんな入り口がいく
つもあるという指摘があった。月刊willに元旧ソ連の情報機関の将校だった人物が書き1990年に英国で出版されたIcbreakerという本を紹
介した西岡さんは今回 の尖閣騒動は日本側の配慮のなさで中国の神経をさかなでして始まったのは事実だが、その後のしつこさをみると中
国のほうが悪いと率直な意見があった。森永先生の考えはそれでも日本は自重して中国の過激な動きをいなすことが国益という考えである。
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April 30, 2013