ほしいサービス、いらないサービス

とかく世の中はままならないものだ。ほしいサービスはしてもらえず、いらないサービスがしつこくまつわりつく。チョッと列挙してみると意外にもいらないサービスの方が多いので驚いた。

ほしいサービスの例としてJRの切符売り場の列を一本化するガイドロープである。窓口別の運不運を平準化する一種の保険の仕組みと思えよい。こういう理にかなった方式を生み出すのは日本人には向いていないようだ。「銀行のATMの待ち行列に導入されているが、JRの切符売り場にはようやく一部導入されただけである。これが無く窓口別に列を作ると前に難しい切符を買う人がいる場合などひどいめにあうことになる。藤沢駅で30分待たされて断念して近距離切符で出発したことがある。セルフサービスのガソリンスタンドもほしいが既にふれた。

いらないサービスは山ほどある。これは多すぎるので箇条書きにしよう。

(1)銀行のフロア案内人:やることがないので、いろいろおせっかいをやく。待ち行列を整理するための自動順番切符を取りにゆこうとすると、まず取らないで手続き用紙に記入せよなどといって客を混乱させ、もうこのような銀行とはおさばらしたいと思わせる。リソナの破綻の当日なのでいっそうそう思ったのかもしれないが、早く余剰人間を整理して税金をつぎこまなくてもよいようにしてもらいたい。

(2)航空機会社の搭乗券自動改札機前に陣取って客から搭乗券を奪って改札機械に券を挿入するロボットのごとき要員:無駄の代名詞のようだ。経営がおかしくなるのはテロが原因であるだけではないと合点する。

(3)ゴルフ場のキャディー:わずらわしい存在だ。なぜ彼女らのご機嫌をとらなければならないのだ。自然ゴルフ場からは足が遠のく。

(4)劇場の案内人:これは19世紀ヨーロッパの貴族社会をサルまねしたものだ。劇場の品格を上げようとしているらしいのだが、本末転倒のサービスをしている。特に東京オペラシティーコンサートホールがおかしかった。そもそも東京オペラシティーコンサートホールは石原知事が前任者の残した不良債権の一つとして苦言を呈している箱物行政の置き土産だ。とにかく建築物は壮大で立派である。素人合唱団が無理してここを借りて発表会を企画したのだが、会場を満杯にするという条件がついたのだそうである。そこであらゆる友人に切符を売りまくったらしく、グリーンウッド氏もそこにいるハメになった。学芸会のノリでその立派なホールをデジカメにおさめようとカメラを取り出すやくだんの案内嬢が飛んできて撮影禁止ですという。上演中でもないのでなぜいけないのか聞いても理由無しにダメという。どうもそういうことになっているらしい。著名な演奏家の肖像権もないし、むしろ出演者は撮影してもらいたがっているのに、建築物に著作権があるのかとも考えたが、写真はホームページでも公開している。(http://www.operacity.jp/)そもそも税金で作ったものをタックスペイヤーに公開するのは当然だろう。察するところ東京都の天下り役人がそういうルールを顧客サービスと履き違えてお嬢さんたちに指導しているのだろうと察した。それにしても案内人の多いこと。もうすこし石原知事に蛮勇を奮ってもらわねば。

(5)暑すぎる列車の暖房:JRの湘南電車が特にひどい。多分設計が古いためかとは思うが、満員電車が架線事故で雪のなか1時間も立ち往生したときなどは、車内温度が上昇し、体温も上昇してしまい生命の危険を感じた。それでも窓際の人は窓を開けてくれない。これは自ら判断し行動にでることをためらう国民性にあると考え、車掌に交渉して車内アナウンスしてもらってようやく室内温度調整に成功した思い出がある。

May 20, 2003


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