日本列島にかかる歪

 

三陸の旅で参観した龍泉洞の石灰石洞くつ形成の歴史が物語るように太平洋プレートが運んでくる岩体がペルム紀、三畳紀、ジュラ紀において大陸の東端に付加されて日本列島の岩盤を形成しました。白亜紀には沈み込んだプレートがマグマを発生させて火山帯が形成され、前紀中新世末から中期中新世初期にかけ日本海と日本列島が形成されました。

日本海の背弧海盆は大洋中央海嶺と同様に、プレートが生産され、海洋底が拡大して形成されたものであることが分かっています。海洋底で拡大しつつあるプレートは上昇してくるマントル物質が固まってものですが、沈み込む太平洋プレートとフィリピンプレートの一部が沈み込んで加熱され 、周囲のマントル物質を取り込みながら上昇したものです。

新潟付近はこの拡大する海洋底が南東方向に応力を生み、太平洋プレートが西方向に押しているので、東北地方は反時計廻りで回転しています。こうして西日本の下に東日本が5,000mも沈み込んでできたのが大地溝、すなわちフォッサマグナでしよう。

フォッサマグナ全構造の鳥瞰図

本図は御前崎上空230kmから16mm広角レンズで6.3度方向、60度下方に俯瞰したものである

太平洋側の地震がプレート沈み込みにともなった発生するのに対し、日本海側は拡大する日本海の海洋底と太平洋プレートが押しあって発生するひずみを解放しようとして発生すると理解できます。過去100年余りの一連の地震活動の傾向や近年のGPSによる観測をもとにした研究により、日本海東縁から近畿地方北部にかけて歪集中帯が分布していることが知られていますが、今回の地震は、その1つである新潟-神戸歪集中帯の内部、あるいはそれに沿った地域で発生したと考えられています。

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Rev. July 28, 2008

 


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