蔵前工業会東京支部・技術士会共催

旭ガラス研修センター見学会

2009/3/2

蔵前工業会 と技術士会が主催する見学会にECHOR会のメンバーも招待されたのででかけた。学生時代に見学で見た「垂直引き上げ法」が印象的だったのと、ソーラーパネル用のガラスの価格を知りたかったためだ。

鶴見線弁天橋で下車するのはこれで2回目、もうくることはないだろう。

まず驚いたのは「垂直引き上げ法」は過去のものになり、いまでは「フロート法」の時代だそうである。溶融錫の上に溶けたガラスを流しだし、引っ張って、幅広、長尺のガラスを最も安価に作り出すことができるという。錫の上では表面張力の関係で厚さ6.8mmになるのだが引き出す速度をかえて2-25mmの間で厚さを調整 するのそうだ。最近では0.7mmまで可能という。

案内してくれた社員に昔「垂直引き上げ法」を見たといったら「私も見てみたかった」といっていたくらい歴史上のものになってしまったのだ。

溶解槽に使うジルコニアレンガは9kgもあって片手ではもてない。 研修センターは高校卒業の社員教育を主眼としたものと思われた。ガラス製造の原理などはこれぽっちもなく、ただひたすらに製造装置の電気系・機械系の保守のための知識と体の動きを訓練する設備である。溶融炉の寿命が長くなって新規炉の建設をした人がいなくなったため 、炉の組み立て訓練をするモックアップ設備があった。

液晶用フラットパネルガラスは他社は依然として「垂直引き上げ法」で製造している。これは「フロート法」の場合、錫イオンがガラスに拡散してしまうことを防止するためだという。旭ガラスは「フロート法」+「錫イオン除去研磨」で競争力を持っているという。

ソーラーセル用のフロートガラスの価格については収益に直結することで最も大切な機密事項ゆえ教えてはくれなかったが、対話のなかでほぼ推定できた。結果はグローバル・ヒーティングの黙示録」に収録した。

原料の珪砂はオーストラリアから輸入、ソーダ灰は海水の電解で製造している。

March 3, 2009


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