インターネットと権力

インターネットはメールを安価に配達してくれるということで情報伝達に革命をもたらしたわけだがウエブ・サイトも安価に世界中の不特定多数の人々に情報を発信できるという意味で革命である。グリーンウッド氏はこの恩恵にフルに浴しているわけだ。

しかし問題もある。未成年者に無用な刺激を与える情報も止められないということだ。そこで不良サイトにアクセスを禁止するソフトが市販されている。このソフトを子供の使うPCにインストールし特定のキーワードなどを父母が入力しておけばアクセスできなくなるものだ。

おもしろいことにこのソフトを最も活用しているのは実は家庭ではなく、民主主義をおそれる権力者が支配する国家、職員・社員を信頼できない高級役人や経営者のいる官庁・企業などのようであるということが次第にわかってきた。賢い親ならこのようなソフトはかえって子供をスポイルするということを知っているのだ。部下を信頼できない役人や経営者は自らの無能を世にさらしているようなものだ。このような企業からは早くおさらばしたほうが身のためかもしれない。「歴史の終わり」を書いたフランシス・フクヤマも「繁栄をもたらすものは組織内の信頼」だと言っているではないか。

本サイトは欧米ではどこでも閲覧可能と確認済みだが、とある国ではアクセス禁止サイトになっているとの情報が最近入った。そこでピンと来て英語版を例えば彼らが、国民の目に触れせたくないと考えるたとえば sex というキーワードで検索してみると、英語のジョーク集に沢山あることが判明した。折に触れ、欧米の友人からもらった笑い話を収拾したものだ。笑い話はたわいないもので、下品でもないので自己検閲にパスして掲載したものだ。これを読んでいた人が口に含んだコーヒーをキーボードにぶちまけてしまったというくらい面白いのに、この国の人は豊かな人生の一部を楽しめないのだ。まあジョークなどどうでもいいが、このサイトに掲載されている有用な技術情報も、かの国の人はふれることができないのだ。

自由の国米国でもインターネットの規制法を検討しているという。適度な規制は必要と思うが、民主主義を拘束するような規制は断固排除しなければならないだろう。

February 27, 2004


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