二一会平成26年度第4回研究会


飯島正

2013年10月26日

アジア大名誉教授室

 

仏教の伝来と日本人の対応・ 自然観」の「禅」をテキストにする。

釈迦は苦行では解脱できないことを悟り、座禅で悟りを開いたことから座禅が仏教の修行法となった。禅はサンスクリット語のドフヤーナ(
dhyāna) に由来する。熟考するという意味だ。

菩薩達磨がインドから中国へ伝え、栄西(臨済宗)と道元(永平寺)が日本に伝えた。

禅の根本思想は

@不立文字(ふりゅうもんじ):悟りの境地は文字で表現できない
A教外別伝(きょうげべつでん):禅の真骨頂は経典の内容を絶したところにある
B直指人心(じきしにんしん):じかに自分の心をみつめよ
C見性成仏(けんしょうじょうぶつ):仏性に目覚めれば、おのずと仏になる

郭庵師遠禅師著「十牛図」
一 尋牛(じんぎゅう):自分は牛(本来の自分)を探しに行くと想像する
二 見跡(けんせき):牛の足跡をみつけた。すなわち万物は自分と同じ
三 見牛(けんぎゅう):本来の自分に対面している姿
四 得牛(とくぎゅう)
本 来の自分をつかまえようと努力する
五  牧牛(ぼくぎゅう):悟りを確実に自分のものにする
六 騎牛帰家(きぎゅうきか):悟りと自分は一つになったと考える
七 忘牛存人(ぼうぎゅうそんじん):悟ったという気持ち自体を放下する
八 人牛倶忘(じんぎゅうぐぼう):迷いも悟りも超越した絶対的空にいる
九 返本還源(へんぽんかんげん):空の世界から自然の変化を見る
十 入廛垂手(にってんすいしゅ):日常生活に戻り、人々のためにつくす

アーノルド・J・トインビーと若泉敬共著「トインビとの対話 未来を生きる」の「古典との触れ合い」を輪読。ヨハネ第一書、ルクレティウスの「万象の本質 について」、ダンテの「新生」、ゲーテのファウスト。

二一会目次へ

October 26 , 2013


トッ プページへ