アメ横、神田明神、赤門、首相官邸デモ

2012年8月10日、日本原子力学会・原子力安全部会出 席のため東大に出かけるついでにアメ横に立ち 寄った。ブーツカットのデニムパンツを買うためである。学会までにまだ1時間の余裕があった。運動不足を解消しようと真っ直ぐ東大には向かわず、江戸の総 鎮守の神田明神に立ち寄った。

9月には久しぶりにシカゴからヒューストンまでのルート66ライドの準備している。ブーツカットのジーンズが12年でボロボロになったので新調しようと藤沢や 茅ヶ崎のテラスモール湘南の 専門店を歩きまわったがどこもブーツカットは置いてない。これがないとブーツをジーンズの 裾で隠すことができずバイク 乗りは困ったことになる。いわばハレー文化もカウボーイ文 化の流れなのだ。インターネットでは売っているが、試着できなければ体型が崩れた老人にはどれを購入したらよいかわからない。世の中、一見すると色とか多 様の製品があるようにみえるが、需 要の少ない商品は完全に店頭から姿を消した。一見多様に見えるが、じつは一様化が進行していると気が付いた。売れる量の少ない物はマーケットから消えて行 く、と言うのは自由競争下での市場の原理。しかしマーケットが成熟した段階では、少ない量ながら需要が根強い商品は高価な製品としてニッチな市場を形成す るだろう。インターネットで探すと「アメ横」にGパンという言葉をはやらせたマルセルという店があることを発見。学会に出かけたつい でに立ち寄った。3つ試着してリーバイのブーツカットを買った。歳とって腹が出ても股上の浅いタイプにすると若者と同じサイズのリーバ イ のカウボーイ・デニムを着用できる。リーバイの日本製レア物だから価格は2倍もする。日本製だ。中国製は多量生産だけらしい。日本メーカーも少量生産で しっかり生きている ようだ。「アメ横」の存在意義はここにある。ただ安いだけのものではない。



アメ横


アメ横は昨年、東大法学部で若き頃を過ごしたK氏の案内で散策 した。そのときK氏とはぐれた摩利支天徳大寺を訪問。地下はすべて店舗という面白い配置。摩利支天とはインドの民間信仰の風神の1つとして『バガヴァッ ドギーター』のことでインド神話の中で活躍する帝釈天やアグニ、ヴァーユ、ルドラ、ヴィシュヌ、シバなどの諸神の一つ。

不忍の池近くで昼食をとったが、まだ1時間早い。ならばと神田明神に向かった。なぜ神田明神かというと2008年にたまたま大手町(武蔵国豊嶋郡芝崎村)の 真ん中に平将門の首塚を 発見したからである。神田とは伊勢神宮の御田(おみた=神田)があった土地という意味だ。徳川による江戸城大改築で邪魔になった神田神社(神田明神)は江戸の鬼門を守るという名目で1616年に神田駿河台に移転された。

不忍の池から南下すると右手は東大から続く丘が続く。これが駿河台といわれるもののようだ。道路の東側にはまるで台湾にあるような戦前の建物が残って いてうれしくなる。真っ直ぐ行けば神田川の人工の谷に行き当たる。当時の神田川は今の日本橋川に 流れていたが、江戸城下を洪水から守るため、家康が伊達正宗に命じて神田山(今の駿河台)を掘削して隅田川に直接放流するようにしたのだ。

神田明神は神田山の上にある。その急坂は男坂と言われるがこの急な階段 を登るとそこが将門を祭る神田明神だ。将門の評価は、古代の朝敵から、中世の崇敬対象へ、さらに明治時代の逆賊視、ついで戦後の英雄化と激しく揺れ動いた。戦後は将 門は再び英雄化されて神田明神に合祀されている。古代の朝廷は東国において叛乱を起した平将門を討伐するため、僧寛朝を現在の成田山新勝寺へ使わせ、平将門の 乱鎮圧のため、動護摩 の儀式を行わせた。こうして成田山新勝寺を参拝することは平将門に対抗する事となるので、平将門を評価する人は成田山の参詣をしてはならないとされている そう だ。今まで成田山に詣でたことはない。平将門はなぜか心を揺るがす。今後、成田山に足を向けないように気をつけなければ。



神田明神


神田明神脇の西隣の宮本公園には神田の家という江戸の材木商遠藤家の昭和初期に建てられた旧家が移築保存されていた。遠藤家は、 遡ること江戸城築城の時代。築城に必要な木材の供給のために鎌倉から呼び寄せられたとか。その木材を積み下ろしたのが当時の神田川(今の日本橋川)の鎌倉 橋界隈の岸で鎌倉河岸と呼ばれた。住んだ町は将軍塚近くの神田鎌倉町として名前に残っている。

遠藤家は江戸城の立ち入りも許されていたという。神田の家の先代の家主である遠 藤達藏は、神田明神の氏子責任総代と、将門塚保存会の会長を務め、生涯をかけて平将門を崇敬した人物である。その為、土間には「将門」と書かれた色紙がか かっており、庭には平将門の娘滝夜叉姫とゆかりの深い蛙の置物が多数置いてある。また、京都の京都神田明神の建立に尽力した。平成22年(2010年)よ り 一般公開している。




赤門


本郷通りを北上、赤門前に到達。ここは何回も通ったところだ。昨冬に撮影した木枯らしの中に立つコンドルはいつの間に濃いイチョウの中に立っていた。



コンドルの銅像

会 終了後、丸の内線で霞ヶ関駅に向かい、金曜日の首相官邸デモなるものを見物に立ち寄る。結構な人数があつまっている。警官隊は完全にコントロールしていて 官邸には近寄れないため、すぐあきらめて文部省方向に下り、虎の門駅から新橋に移動して帰る。集まった人数は1万人くらいか。この日、消費税増が決まっ た。



首相官邸デモ

August 11, 2012


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