2004年の五月晴れの下、グリーンウッド夫妻は鎌倉に残された緑を守ろうという市民運動の対象となっている台峰をはじめて散策した。峯と峰はわずらわしいがどちらでも良いようだ。作家のなだいなだ氏があるく会などを主宰しかなり活発だが、いまだ資金難で鎌倉市が地権者から買い取れないところだ。
北鎌倉駅から鎌倉小阪郵便局までは国道を大船方向に向かって歩く。小阪郵便局は田舎にあるようなやけに立派な建物だ。ここから宮の台橋を渡って光照寺前を通って切り通しを登る。スダジイを刈り込んで、庭木にしてしまった、立派なお屋敷の前の交差点をまっすぐ、細い旧道に沿ってあるく。台の旧家が残っていて気持ちがよい、南側に横たわる台峰の緑が借景となって住み心地のよいところと察した。かなり立派な民間の養老施設がある。
小袋谷と山崎を結ぶ切り通しを通って山崎小学校に抜ける。この小学校の南側にある陶芸家、書家、料理家の故北大路魯山人(ろさんじん)の旧宅其中山房(ごちゅうさんぼう)を参観する。一般公開されていないが、人が住んではおらず、庭師が入って維持管理はしているらしい。邸内には魯山人が使用した登窯、星岡窯が残っているというが外からはみえない。其中山房の奥は小さな谷戸である。ここに中規模の桐の木は花をつけていた。
後日の2008年、星岡窯は陶芸家河村喜史(きふみ)氏によって年2回使われていると知る。
其中山房(ごちゅうさんぼう)の茅葺門
其中山房(ごちゅうさんぼう)屋敷
台峰に沿った谷戸(やと)、倉久保には地図では道が矢戸ノ池までついているはずであるが、山崎こども会館で道は行き止まり、谷戸への入口がわからなくなっていた。この谷の北側が台峰で、南側が鎌倉中央公園である。道を「さくら青少年広場」まで取って返して、ここから台峰に登る。おおきな「あおだいしょう」が逃げもせず、登山路に横たわっている。
あおだいしょう
尾根道は両側が急な斜面のヤセ尾根であった。それでも広いところは畑になっている。道が二俣になっているところでは左にゆく。木陰で買ってきたサバ寿司を食す。台峰の高台から北側の六国見山が見渡せ、その南面の深い木立の中に円覚寺の伽藍の甍が光っている。横須賀線の電車が北鎌倉駅に停まるのも見える。
台峰より六国見山(174m)と円覚寺伽藍
いっぱんにここの野生動物はおっとりしている。台湾リスもすぐにはにげない。北鎌倉女子学園グラウンドが突然山の中に出現する。台峰の山頂に造ったらしい、人一人居ない巨大空間である。ここから山ノ内配水池に向かいひたすら歩く。梶原と北鎌倉を結ぶ自動車道にでてすぐ、源氏山経由鎌倉駅にでる ルートをとる。葛原が岡神社はパス。源氏山公園で頼朝像を見て寿福寺に下った。
白ルート
Romi-Uni Confitureでジャムを買って帰る。
May 7, 2004
Rev. February 3, 2008