大巧寺(だいぎょうじ)・おんめさま

グリーンウッド夫妻は2008年1月20日、大巧寺を訪れた。鎌倉駅に近いため、鎌倉に引っ越してから何度か訪れたが最近はご無沙汰気味であった。 2008年2月13日にノースウェスト・フォーラムが計画している古寺巡礼の予備調査のために再訪したのである。

鎌倉駅東口から本覚寺に抜ける近道だったためであるが、ここは安産の神さまである「おんめさま」も祭ってあるため、赤ん坊を抱いた若い夫婦がお礼参りをしていた。ついでにと息子夫婦の安産祈願もお願いした。本堂には鏡が置いてあるので、「おんめさま」は神さま扱いのようだ。

大巧寺

1532年にこの寺の上人が比企ガ谷の祖師堂にお参りするために滑川の橋を渡ると河原でひとりの女が泣き苦しんでいた。見ると、髪の毛はぼうぼうで血だらけの着物を着て、やせた赤ん坊を抱いてい る。なぜかと聞くと「私は大倉に住んでいる秋山勘解由(かげゆ)の妻ですが、難産で死んでしまいました。毎日この川を渡ろうと思うのですが水が血に変って深さがわからず、子供が乳房に吸い付いて泣くので苦しくてたまりまりません。どうぞお助けください」という 。そこで上人が仏の教えを聞かせ、お経を読むとその女の姿はみえなくなった。

数日後、美しい女が上人の前に現れて「お経のおかげで苦しみが消えました。お礼に生きていた時にためたお金を持ってきましたからこれで塔を建ててお産で苦しむ人を救ってください」という。秋山勘解由に確認するとたしかに妻が死ぬ前に溜めていたお金の包みだというので塔と産女堂(うぶめどう)を境内にたてたという。この産女が安産の神「おんめさま」である。

鎌倉地図

January 23, 2008

Rev. January 26, 2008


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