丹沢

冬の塔ノ岳

2008

2008年1月30-31日、wakwakの年間計画ではヤビツ峠から表尾根を登り、塔ノ岳経由丹沢山(1,557m)で一泊して三峰経由宮ヶ瀬に下ることを計画していた。ところが前日低気圧が通過して下では雨、山頂では雪であった。神奈川中央交通にヤビツ峠までバスが行くか問い合わせると凍結していて無理という。70才に手が届く歳で苦労したくはない。急遽仲間と相談してみやま山荘に入れておいた予約を塔ノ岳(1,491m)の尊仏山荘に変え、大倉尾根を往復することにした。二股までタクシーでゆき、そこから小草平に登ることも検討したが 、6006年のときは大雪で難渋したことを思い出し、大倉往復としたのである。

大倉⇔塔ノ岳 ルートは赤色

グリーンウッド氏にとって冬の丹沢は2003年2月の塔ノ岳2006年1月23日の丹沢山についで3回目である。

 

第一日

朝5:00起床。朝のうちは快晴で小田急の海老名界隈から丹沢山がよく見えた。渋沢駅に集合し、8:12発のバスで大倉(310m)に向かう。8:30には歩き出していた。思ったより雪は少なく、花立山荘までは残雪はところどころにある程度であった。朝の晴天はすっかりどこかに行って曇天となり 、ついにガスが出はじめ、山頂に着くころは、完全にガスのなかであった。駒止小屋(890m)で11:00となり、昼食をとる。垂直速度232m/h。雪のないときの実績は250m/hだから、妥当なパーフォーマンスである。

小草平で小休止。名前からしてかっては草原だったのだろうが、今は植林地に囲まれて薄暗く、もはや草原ではない。国会で水源涵養林について質問しているピンボケのおばさん議員は一度でも山に入ったことがあるのだろうか?花立山荘からアイゼンをつけるか迷ったが、コンチャンは沖縄帰りでボケてしまい、アイゼンを忘れてきたという。前回疲労が激しかったことも思い出し、アイゼンを履かずに登ることにしたのが失敗、金冷しでヒヤヒヤしどうしだった。花立小屋からすこし塔ノ岳へ 登ったところにある広場で2006年にクリスマスツリーのようにみえた木には雪がなく、殺風景に見えた。

14:30尊仏山荘着。垂直速度200m/h。やはり雪のためスピードは落ちる。17:00の夕食までに早速担ぎ上げた日本酒と薩摩の芋焼酎で新年会。 山荘のストーブはグリーンハウス暖房用とかちょうどジェットエンジンの燃焼室と同じ構造のため轟音を出して景気よく燃焼する。燃費は悪いそうだ。そうだろう過剰空気を吸引しすぎる構造のような気がする。22:00を過ぎると燃料切れでとまってしまうが、建物の構造物が温まっているのでストーブの直上の2号室では朝方まで暖かく眠ることができた。

尊仏山荘のストーブを囲むwakwakの面々

尊仏山荘名物のカレーライスの夕食後は上手いコーヒーをいただいてから19:00には寝てしまった。「用済みのトイレの紙はお持ち帰りください」となったので、今回は 腹に収めたままで全て持ち帰りとする。夜中にいつもの通り4回トイレに立った。23:00頃から晴天となり、オリオンが天高く輝き、関東平野の町の明かりが広がっている。気温は零下になり、雪は砂のようになって滑らない。

 

第二日

2006/1の丹沢山からの帰路、日高(ひったか)より大山と三ノ塔の間に 相模湾、江ノ島、三浦半島、房総半島を望んだが、今回は塔ノ岳山頂から朝日を反射する浦賀水道、相模湾、馬入川を望むことができた。久里浜の火力発電所の3本煙突も 浦賀水道をゆく貨物船やタンカー群も見える。 江ノ島の手前の高層ビルは茅ヶ崎港周辺のビルだ。

宮ヶ瀬ダムの建設により、馬入川からの砂の供給が減ったためと茅ヶ崎港の築港が障害になって茅ヶ崎港から左側の砂浜がやせ細っている。このため、ダンプによる砂の搬入が欠かせなくなっている。

朝日を反射する浦賀水道、相模湾、江ノ島、馬入川と鈴川 

東方にはランドマークタワーのある横浜(50kmの距離)、東北東の方角には最近ますます増えたスカイスクレイパーが林立する東京が見える。東北の方角には筑波山(120kmの距離)が見える。

小屋の主人の愛猫はなかなかの気難し屋のようである。頭をなぜてやろうとしてもそうさせず、手の臭いをひとしきり嗅いだのち、ビックリしたように我が目を覗き込む。そうだろう昨日の朝から手を一度も洗っていない。「この小屋から一歩も出ないのですか」と聞くとイや寒い雪の中 も散歩しますよという。夏は主人について「木ノ叉小屋まで往復しましたよ」という。

「目下修行中の若い僧が毎日登ってきますよ。そして山小屋の前の仏像のまえでお経をあげて丹沢山のほうに行きます」と主人がいう。なるほど程なくしてその僧がやってきた。完全な墨染めの托鉢姿で立派な錫杖を持っているが、靴だけは登山靴である。お経を朗々とあげている。

修行僧

8:30塔ノ岳発。

出発  クリさん撮影

大倉尾根を下る。

大倉尾根を金冷しに向けて下る  クリさん撮影

12:10には大倉に着いた。下山の垂直速度は321m/hだ。雪が無い場合は330m/hであるからほぼいつもの速度ということになる。 一本松界隈は箱根の湯坂路のように稜線に赤松が残っていて快適だ。

鶴巻温泉”弘法の湯”で一風呂あび、猫に嫌われないようにした。生ビールで反省会。

February 31, 2008

Rev. June 23, 2008


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